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フリーランスのトラック運転士の Jean-Claude は、ポワチエ近郊の Montcharmain のパーキングエリアにある、セルフサービス・レストランに立ち寄った際、顔なじみのウェイトレスの Nouria が、支配人から殴られているのを目にする。 Nouriaを救い出し、トラックに連れて行ったJean-Claude は、Nouria に家まで送っていく事を提案するが、Nouria は、家に帰る事は出来ないと言う。
Nouria の恋人は刑務所に留置されていた。 Nouria が、刑務所へ面会に行かないと、恋人は仲間を Nouria の元に送り込み、彼女に制裁を与えるため、Nouria は、刑務所にいる恋人の定期的に差し入れをしなければならなかった。 差し入れのための費用、刑務所への交通費や弁護士代を払うため、Nouria は、体を売るようになる。 そして、それを知った支配人は、Nouria の収入の一部を彼に納めるよう、要求してきたのだった。
Jean-Claude は、Nouria を、Jean-Claude が自由に使える、友人のアパートがある Lormont という町へつれて行き、Nouria をアパートに、一人残し、仕事に出かける。
そして、Nouria は、Jean-Claude の友人のアパートで暮らし始める事になる。
作中人物の心模様や、場面の雰囲気に合わせ、セピア、薄紫、濃赤、グレーかかったセピア、などの一色を選び、その色と黒のみの2色で彩色された、オリジナリティーが感じられる彩色の漫画。
暗い心模様には、薄いダークブルー、昼間のリラックスした気分には、明るめのセピア色、夕暮れの切ない心には濃赤、など、作中人物の心模様や、雰囲気を色で表現する、着色テクニックは、作中人物の表情の描写だけでは、描き切れない、想いを伝える事を可能にしています。
又、読みやすさと、作中人物の微妙な感情の伝達が考慮されたストーリーボードの構成の仕方も、上手いと思いました。
非の付け所のない妻と可愛い3人の子供がおり、単調ながら平穏な毎日を送っていた長距離トラック運転手と、決して手の届く事のない幸せを求める薄幸の女性との出会いを描いたストーリーは、切ない情感に満ちています。
読み終わってから、著者名を見て、以前、このブログで紹介した「Monsieur Khol 」の作画担当をした漫画家の作品だと知り、あまりに違う作風に驚きを感じずにはいられませんでした。
優れた漫画家は、ストーリーに合わせて作風を変える事が出来るのは、既知の事実でしたが、これほどまで、違ったテクニックを疾駆できるのは、並大抵の技量では出来ない事だと、感嘆の念が洩れました。
辛口の恋愛漫画を読んでみたいとお思いの方にお勧めしたい一冊です。
【きわめて個人的な本の評価】
2010年4月25日に一部加筆修正。
Nouria の恋人は刑務所に留置されていた。 Nouria が、刑務所へ面会に行かないと、恋人は仲間を Nouria の元に送り込み、彼女に制裁を与えるため、Nouria は、刑務所にいる恋人の定期的に差し入れをしなければならなかった。 差し入れのための費用、刑務所への交通費や弁護士代を払うため、Nouria は、体を売るようになる。 そして、それを知った支配人は、Nouria の収入の一部を彼に納めるよう、要求してきたのだった。
Jean-Claude は、Nouria を、Jean-Claude が自由に使える、友人のアパートがある Lormont という町へつれて行き、Nouria をアパートに、一人残し、仕事に出かける。
そして、Nouria は、Jean-Claude の友人のアパートで暮らし始める事になる。
作中人物の心模様や、場面の雰囲気に合わせ、セピア、薄紫、濃赤、グレーかかったセピア、などの一色を選び、その色と黒のみの2色で彩色された、オリジナリティーが感じられる彩色の漫画。
暗い心模様には、薄いダークブルー、昼間のリラックスした気分には、明るめのセピア色、夕暮れの切ない心には濃赤、など、作中人物の心模様や、雰囲気を色で表現する、着色テクニックは、作中人物の表情の描写だけでは、描き切れない、想いを伝える事を可能にしています。
又、読みやすさと、作中人物の微妙な感情の伝達が考慮されたストーリーボードの構成の仕方も、上手いと思いました。
非の付け所のない妻と可愛い3人の子供がおり、単調ながら平穏な毎日を送っていた長距離トラック運転手と、決して手の届く事のない幸せを求める薄幸の女性との出会いを描いたストーリーは、切ない情感に満ちています。
読み終わってから、著者名を見て、以前、このブログで紹介した「Monsieur Khol 」の作画担当をした漫画家の作品だと知り、あまりに違う作風に驚きを感じずにはいられませんでした。
優れた漫画家は、ストーリーに合わせて作風を変える事が出来るのは、既知の事実でしたが、これほどまで、違ったテクニックを疾駆できるのは、並大抵の技量では出来ない事だと、感嘆の念が洩れました。
辛口の恋愛漫画を読んでみたいとお思いの方にお勧めしたい一冊です。
【きわめて個人的な本の評価】
総合評価 | : | 4/5 | |
ストーリー | : | 3/5 | |
グラフィック | : | 4/5 | |
彩色 | : | 5/5 | |
ストーリーボード | : | 4/5 | |
フランス語難易度 | : | 2.5/5 | (易<難) |
読みごこち | : | 4/5 | (難<易) |
2010年4月25日に一部加筆修正。
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