♥ Coup de coeur ♥

「Un Long Destin de sang, Tome 1
」

「Un Long Destin de sang, Tome 2
」
ストーリー : LF Bollée
作画・彩色 : Fabien Bedouel
分類 : サスペンス漫画、お勧め漫画
出版社 : Glénat (12 Bis)
本の種類 : ハードカバー(24x0.5x32)
ページ数 : 各巻56頁
【概要】
【ストーリー】
【グラフィック・彩色】
【ストーリーボード(ネーム)】
【読み心地】
【読後感】
【こんな人のお勧め】
【きわめて個人的な本の評価】

「Un Long Destin de sang, Tome 1

「Un Long Destin de sang, Tome 2
ストーリー : LF Bollée
作画・彩色 : Fabien Bedouel
分類 : サスペンス漫画、お勧め漫画
出版社 : Glénat (12 Bis)
本の種類 : ハードカバー(24x0.5x32)
ページ数 : 各巻56頁
【概要】
第一次世界大戦中のフランスを舞台にした群像劇的なサスペンス漫画。
【ストーリー】
1917年4月フランスエーヌ県の戦場。 敵情視察から、味方が潜む塹壕へ帰ってきた兵士は、仲間の兵士らが近接戦闘の末、全員死亡しているのを発見する。 塹壕は第一線から離れており、今まで敵軍の影すら見た事がなかった。 味方の死を不審に思った兵士は、写真機に塹壕の様子を収める。 しかし、彼が写真を取り終わるや否や、何者かが塹壕へ塩素ガスを放つ。 自分の命が助からない事を悟った兵士は、死ぬ前にカメラを土の中に隠す。
1918年3月30~31日の空爆に怯えるパリ。 塹壕の中から見つかった写真機を手に入れたジャーナリストの Philippe Gautier 、平和運動家の女教師、しがない印刷屋、休暇中の若い兵士、刑事、代議士、売り出し中の舞台俳優、4人の息子を戦場で亡くした将軍、等などの様々な人間の48時間を通し、1年前エーヌ県の塹壕で何が起こったのかが、明らかになってゆく。
1918年3月30~31日の空爆に怯えるパリ。 塹壕の中から見つかった写真機を手に入れたジャーナリストの Philippe Gautier 、平和運動家の女教師、しがない印刷屋、休暇中の若い兵士、刑事、代議士、売り出し中の舞台俳優、4人の息子を戦場で亡くした将軍、等などの様々な人間の48時間を通し、1年前エーヌ県の塹壕で何が起こったのかが、明らかになってゆく。
【グラフィック・彩色】
黒色の影の使い方が印象的なグラフィック。 作中人物の数は多いが、それぞれの顔の描き分けがはっきりしているので、頭を悩ませ事なく、ストーリーを追う事が出来た。 人物の感情表現や、動きの描き方が巧み。
【ストーリーボード(ネーム)】
複数の人物が交差するため、描き方によっては煩雑になる可能性を孕んでいるストーリーが、すっきりと、そして明確に漫画化されている。
リズム感のあるストーリーボードは、まるで映画を『読んで』いるよう。
リズム感のあるストーリーボードは、まるで映画を『読んで』いるよう。
【読み心地】
極めて快適。
【読後感】
第一次世界大戦中のパリを舞台にした、サスペンスタッチの群像劇。 読む時の楽しみをそぐわないために、ストーリーについての予備知識は、出来るだけ持たずに読みたいタイプの作品なので、詳細は割愛させていただきたい。
第一次世界大戦中のフランスを舞台にしてはいるものの、戦争漫画というより、サスペンス漫画に分類したくなるタイプの作品。 と言っても、プロットのみを楽しむ、うすっぺらいサスペンスとは、一線を画している、様々な人間の内面にも踏み込んだ漫画である。
お話の要となる謎そのものには、斬新さはないが、漫画化とストーリー構成の仕方が巧みなため、読み応えのある作品に仕上がっている。
第一次世界大戦中のフランスを舞台にしてはいるものの、戦争漫画というより、サスペンス漫画に分類したくなるタイプの作品。 と言っても、プロットのみを楽しむ、うすっぺらいサスペンスとは、一線を画している、様々な人間の内面にも踏み込んだ漫画である。
お話の要となる謎そのものには、斬新さはないが、漫画化とストーリー構成の仕方が巧みなため、読み応えのある作品に仕上がっている。
【こんな人のお勧め】
戦時中のパリを舞台にしたサスペンスタッチの群像劇的な漫画を読みたい方。 映画を『読んでいる』ようなBDを読みたい方。
【きわめて個人的な本の評価】
総合評価 : 4/5
ストーリー : 3.5/5
グラフィック : 4/5
カラーリング : 4.5/5
ストーリーボード : 5/5
フランス語難易度 : 1.5/5(易<難)
読みごこち : 5/5(難<易)
ストーリー : 3.5/5
グラフィック : 4/5
カラーリング : 4.5/5
ストーリーボード : 5/5
フランス語難易度 : 1.5/5(易<難)
読みごこち : 5/5(難<易)
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- Category
- サスペンス・ホラー系BD
- Thread
- ジャンル : 本・雑誌
- テーマ : フランス漫画(BD)

ストーリー : ZIDROU
作画・彩色 : Alexei KISPREDILOV
出版社 : Delcourt
本の種類 : ハードカバー(19x1.5x28.5)
ページ数 : 96頁
【概要】
公の機関でない P.Pol という治安維持企業により、世の中の秩序が保たれている近未来を舞台に、凶悪連続殺人犯の姿を追うフリーの刑事 Rosko Timber の姿を描いたサスペンス漫画「Rosko」第1巻。
【ストーリー】
警察という公の機関でなく、 総合企業 P.Pol の治安部により、世の中の秩序が保たれている近未来。 P.Pol 社と契約を結んだ個人の安全のみが、P.Pol 社に勤務するエージェントによって保証されていた。
テレビ番組ののアナウンサーは、6年前に逮捕された92人の命を奪った凶悪殺人犯 Per Svenson の死刑の方法を決めるための一般投票に、参加するよう呼びかけていた。
6年前、P.Pol に雇われた、フリーの刑事 Rosko Timber は、92人の命を殺めた凶悪殺人犯の Per Svenson を、彼が93人目の殺人を犯す直前に逮捕した。 現役を退いた今、Per Svenson は、Per Svenson の死刑により、この悪夢の様な事件に完全にピリオドを打つ事のみを願っていた。
ところが、事は彼の思うようには運ばなかった・・・
テレビ番組ののアナウンサーは、6年前に逮捕された92人の命を奪った凶悪殺人犯 Per Svenson の死刑の方法を決めるための一般投票に、参加するよう呼びかけていた。
6年前、P.Pol に雇われた、フリーの刑事 Rosko Timber は、92人の命を殺めた凶悪殺人犯の Per Svenson を、彼が93人目の殺人を犯す直前に逮捕した。 現役を退いた今、Per Svenson は、Per Svenson の死刑により、この悪夢の様な事件に完全にピリオドを打つ事のみを願っていた。
ところが、事は彼の思うようには運ばなかった・・・
【グラフィック・彩色】
背景の描写が最低限に抑えられている、ミニマリストなグラフィック。 カラーリングは、ダークグリーンを基調とし、センスよくまとめられている。
【ストーリーボード(ネーム)】
非常にテンポが良く、リズミカル。
【読み心地】
超快適。
【読後感】
私企業が、警察の代わりに、契約した市民のみの安全を守っているという設定の近未来を舞台にしたSF・サスペンス漫画。
ストーリーは、次巻を読んでみないことには、総合的な判断はできないが、今後ストーリーがどのように展開するのか興味をそそられた。
又、非常にテンポ良く漫画化されており、日本の漫画を読んでいるような、非常に心地よい読み心地を味わうことが出来た。
ただ、ラフなスタイルの背景が適用されているが、この手のストーリーと人物の描き方だったら、もっと描き込まれた背景のほうが、頁が栄えて、ストーリーに重みが出たようにも感じられたが、これは好みの問題であろう。
ハイテンポで漫画化されている中々楽しめた作品なので、次巻の刊行が待ち遠しい。
ストーリーは、次巻を読んでみないことには、総合的な判断はできないが、今後ストーリーがどのように展開するのか興味をそそられた。
又、非常にテンポ良く漫画化されており、日本の漫画を読んでいるような、非常に心地よい読み心地を味わうことが出来た。
ただ、ラフなスタイルの背景が適用されているが、この手のストーリーと人物の描き方だったら、もっと描き込まれた背景のほうが、頁が栄えて、ストーリーに重みが出たようにも感じられたが、これは好みの問題であろう。
ハイテンポで漫画化されている中々楽しめた作品なので、次巻の刊行が待ち遠しい。
【こんな人のお勧め】
近未来を舞台にしたサスペンス漫画を読みたい方。 グラフィックよりストーリー重視の方。
【きわめて個人的な本の評価】
総合評価 : 3.5/5
ストーリー : 4/5
グラフィック : 2/5
カラーリング : 4/5
ストーリーボード : 4/5
フランス語難易度 : 1.5/5(易<難)
読みごこち : 5/5(難<易)
ストーリー : 4/5
グラフィック : 2/5
カラーリング : 4/5
ストーリーボード : 4/5
フランス語難易度 : 1.5/5(易<難)
読みごこち : 5/5(難<易)
【関連記事】
- Category
- サスペンス・ホラー系BD
15:58
♥ Coup de coeur ♥
「Ma révérence
」
ストーリー : Wilfrid Lupano
作画・彩色 : Rodguen
出版社 : Delcourt
本の種類 : ハードカバー(19x1.5x28.5)
ページ数 : 127頁
【概要】
【ストーリー】
【グラフィック・彩色】
【ストーリーボード(ネーム)】
【読み心地】
【読後感】
【こんな人のお勧め】
【きわめて個人的な本の評価】
【関連記事】
【外部リンク】

ストーリー : Wilfrid Lupano
作画・彩色 : Rodguen
出版社 : Delcourt
本の種類 : ハードカバー(19x1.5x28.5)
ページ数 : 127頁
【概要】
これまでのヘタレな人生にケリをつけるため、現金輸送車の『福祉的』強盗をする事を決意した Vincent と、 Vincent が強盗のパートナーとして選んだ、無職で酔っぱらっては周りに迷惑ばかりかけている傍若無人の Gabriel を軸に展開する、2014年アングレーム国際漫画フェスティヴァル『Le Fauve Polar SNCF(フランス国鉄協賛、最優秀サスペンス漫画賞』受賞作。
【ストーリー】
それまでのヘタレな人生にケリをつけるため、 Vincent は、現金輸送車強盗を企てる事にする。 そして、彼がパートナーとして選んだのは、無職で、たがが外れたようにも見える Gabriel。
そんな Vincent の複雑な過去、そして、彼が現金輸送車の強盗を計画するに至った理由とその成り行きが、迷惑千万なのだけど抱腹絶倒な Gabriel の言動に併せ、諧謔的にそして、極めてシリアスに描かれてゆく。
そんな Vincent の複雑な過去、そして、彼が現金輸送車の強盗を計画するに至った理由とその成り行きが、迷惑千万なのだけど抱腹絶倒な Gabriel の言動に併せ、諧謔的にそして、極めてシリアスに描かれてゆく。
【グラフィック・彩色】
作中人物の感情表現、性格表現に非常に長けている、表現力豊かなグラフィック。
複数の登場人物の顔が、きっちりと描き分けられているため、ストーリーを楽に理解する事ができた。
背景の描き込み方や、カラーリングも巧みで、登場人物の感情表現を際立たせている。
複数の登場人物の顔が、きっちりと描き分けられているため、ストーリーを楽に理解する事ができた。
背景の描き込み方や、カラーリングも巧みで、登場人物の感情表現を際立たせている。
【ストーリーボード(ネーム)】
コマに書かれたセリフで作品進行が行われる、クラシックなフランス漫画作成法に基き、ストーリーボードが構成されている。
【読み心地】
読む所が多いが、ふきだしのテキストを読んでいれば、特別頭を捻る事なく、ストーリーが飲み込める様に漫画化されている。
【読後感】
2014年にアングレーム国際漫画フェスティヴァルで『Le Fauve Polar SNCF(フランス国鉄協賛、最優秀サスペンス漫画賞』を受賞したものの、『Polar』に分類してしまうのに躊躇いを感じてしまう、サスペンス風ではあるが、現代社会が抱えている問題や、人間の内面や社会性に深く踏み込んだ、含蓄の多い『Polar』を越えた作品。
『Le Fauve Polar SNCF』賞を受賞したので、このブログでも『サスペンス漫画』に分類したが、『Polar』枠で評価されるべきではない作品であるように、私には感じられた。
日本の漫画に慣れている私にとっては、読む所がかなり多く、しんどく感じることもあったが、何しろストーリーが面白すぎなので、頁をめくる手を止める事が出来なかった。
やさしい、真っすぐな心を持ってはいるものの、人間としての弱さを抱え、それ故に、自ら進むべき道を外してしまった Vincent や、「アラバマ物語」を彷彿させる彼の祖母を巡る下りにも、胸を打たれたが、後半、 Gabriel の過去が垣間みられる下りを読んだ時には、目頭が暑くなってしまった。
そんな、可笑しくて、面白くて、そして最後には、じんわり来る極上のストーリーを堪能する事が出来たのは、Rodguen 氏の巧みな漫画化があってからこそ得られたものであるのは、言うまでもない。
兎にも角にも、
「漫画の枠だけに留めておくには、勿体無さすぎ !」
の素晴らしい作品。
小説という形でも読んでみたいなぁ~、と小説好きな私は思ったが、それにもまして、映画にしたら、すごい作品になりそう。
今までBDを読んでアニメ化してもらいたいなぁ~と思った事は数多いが、映画化すべき!と、思った作品に、お目にかかる事はあまりない。 そんな中で本書は映画という形で観てみたいと思った数少ない作品の一つである。
『Le Fauve Polar SNCF』賞を受賞したので、このブログでも『サスペンス漫画』に分類したが、『Polar』枠で評価されるべきではない作品であるように、私には感じられた。
日本の漫画に慣れている私にとっては、読む所がかなり多く、しんどく感じることもあったが、何しろストーリーが面白すぎなので、頁をめくる手を止める事が出来なかった。
やさしい、真っすぐな心を持ってはいるものの、人間としての弱さを抱え、それ故に、自ら進むべき道を外してしまった Vincent や、「アラバマ物語」を彷彿させる彼の祖母を巡る下りにも、胸を打たれたが、後半、 Gabriel の過去が垣間みられる下りを読んだ時には、目頭が暑くなってしまった。
そんな、可笑しくて、面白くて、そして最後には、じんわり来る極上のストーリーを堪能する事が出来たのは、Rodguen 氏の巧みな漫画化があってからこそ得られたものであるのは、言うまでもない。
兎にも角にも、
「漫画の枠だけに留めておくには、勿体無さすぎ !」
の素晴らしい作品。
小説という形でも読んでみたいなぁ~、と小説好きな私は思ったが、それにもまして、映画にしたら、すごい作品になりそう。
今までBDを読んでアニメ化してもらいたいなぁ~と思った事は数多いが、映画化すべき!と、思った作品に、お目にかかる事はあまりない。 そんな中で本書は映画という形で観てみたいと思った数少ない作品の一つである。
【こんな人のお勧め】
負け組の男たちが主人公の読み応えのあるストーリーの漫画を読みたい方。
【きわめて個人的な本の評価】
総合評価 : 4/5
ストーリー : 5/5
グラフィック : 4/5
カラーリング : 4/5
ストーリーボード : 3/5
フランス語難易度 : 3/5(易<難)
読みごこち : 2.5/5(難<易)
ストーリー : 5/5
グラフィック : 4/5
カラーリング : 4/5
ストーリーボード : 3/5
フランス語難易度 : 3/5(易<難)
読みごこち : 2.5/5(難<易)
【関連記事】
【外部リンク】
16:27

ストーリー : Alcante
作画 : Luca Malisan
彩色 : Paolo Francescutto
出版社 : Glénat & Les Editions du Patrimoine
本の種類 : ハードカバー(24x1x32)
ページ数 : 56頁
【概要】
2002年、Cluny 修道院跡の発掘現場で古文書が発見された。
そこには、女性と通じていたため1188年に修道院から追い出され、十字軍に参加し、10年後に修道院へ戻って来た Godefroid が巻き込まれた Cluny 修道院内の陰謀の葛藤の顛末が記されていた。
そこには、女性と通じていたため1188年に修道院から追い出され、十字軍に参加し、10年後に修道院へ戻って来た Godefroid が巻き込まれた Cluny 修道院内の陰謀の葛藤の顛末が記されていた。
【ストーリー】
村娘の Adonna と恋仲にある修道士の Godefroid は、逢引の現場を見つかり、修道院を追い出され、十字軍に入隊させられる。
その後、戦功から騎士号を授与された Godefroid は、Sain-Jean-d'Acreで出会った、ムスリムの 友人の Akim を伴い、10年後、修道院へ帰還したのだが・・・
その後、戦功から騎士号を授与された Godefroid は、Sain-Jean-d'Acreで出会った、ムスリムの 友人の Akim を伴い、10年後、修道院へ帰還したのだが・・・
【グラフィック・彩色】
細いペンタッチのグラフィック。 人物の顔の描き方にアクのない、あっさりした絵柄。 丁寧な彩色法にも好感が持てた。
【ストーリーボード(ネーム)】
比較的リズミカル。
【読み心地】
テキスト部分が集中している所もあるが、総じて快適。
【読後感】
フランス文化省管轄のフランス国立モニュメントセンター(Centre des monuments nationaux ) 付属の出版社 Editions du Patrimoine と Glénat 出版社により共同出版された漫画。
現在フランス国立モニュメントセンターにより管理されている、かつて、学術的、神学的そして、文化的な頂点にあった Cluny 修道院が舞台に設定されている。
Cluny 修道院を揺さぶった陰謀を軸に展開するストーリーそのものより、歴史を通し、現在の政治を批判するという手法が興味深く感じられた一冊だった。
現在フランス国立モニュメントセンターにより管理されている、かつて、学術的、神学的そして、文化的な頂点にあった Cluny 修道院が舞台に設定されている。
Cluny 修道院を揺さぶった陰謀を軸に展開するストーリーそのものより、歴史を通し、現在の政治を批判するという手法が興味深く感じられた一冊だった。
【こんな人のお勧め】
フランスの歴史的建築物を舞台にした漫画を読みたい方。
【きわめて個人的な本の評価】
総合評価 : 3/5
ストーリー : 3/5
グラフィック : 3.5/5
カラーリング : 3.5/5
ストーリーボード : 3.5/5
フランス語難易度 : 2/5(易<難)
読みごこち : 4/5(難<易)
ストーリー : 3/5
グラフィック : 3.5/5
カラーリング : 3.5/5
ストーリーボード : 3.5/5
フランス語難易度 : 2/5(易<難)
読みごこち : 4/5(難<易)
【関連記事】
- Category
- サスペンス・ホラー系BD
- Thread
- ジャンル : 本・雑誌
- テーマ : BD(フランス漫画)

ストーリー : Fabien Nury
作画・彩色 : Brüno
出版社 : Dargaud
本の種類 : ハードカバー(21x1x32)
ページ数 : 100頁
【概要】
1950年代のアメリカの田舎の町を舞台に繰り広げられる、フランス製ハードボイルド漫画。 2014年アングレーム国際漫画フェスティヴァルノミネート作品で、フランスのチェーン書店 Fnac の『Prix de la BD Fnac 2014』受賞作。
【ストーリー】
マフィアのボス Di Pietro から依頼された通り、ヤクの取引現場に割り込み17キロのヤクを強奪する事に成功したものの、仲間と車を失い、文無しになった Tyler Cross は、たった一人、砂漠にぽつんと建てられたガソリンスタンドに辿り着く。
依頼者と連絡を取るため電話をかけようとするが、電話は町にしかないため、Tyler Cross は、ガソリンスタンドの親父の娘の車に便乗し、町へ行く事にする。 しかし、Black Rock と呼ばれているその町は、腹黒い Pragg 家の一族により支配されている特殊な町だった。
依頼者と連絡を取るため電話をかけようとするが、電話は町にしかないため、Tyler Cross は、ガソリンスタンドの親父の娘の車に便乗し、町へ行く事にする。 しかし、Black Rock と呼ばれているその町は、腹黒い Pragg 家の一族により支配されている特殊な町だった。
【グラフィック・彩色】
セピア、渋めのオレンジ、ブルー、グレー、ベージュなどの中間色を効果的に使った彩色が魅力的なグラフィック。 作中人物の顔の描き方は非写実的だが、コミック調のアクが感じられない好感の持てる絵柄。
【ストーリーボード(ネーム)】
グラフィックでストーリー進行がなされる部分と、ふきだしのせりふでストーリーが説明される部分が混同されている。
【読み心地】
注意して読む必要がある箇所もあるが、概して快適。
【読後感】
2012年アングレーム国際漫画祭公式セレクションにノミネートされた「Atar Gull ou le destin d'un esclave modèle」のコンビの著者の手による作品で、2014年のアングレーム国際漫画フェスティヴァルにノミネートされたハードボイルド漫画。
ハードボイルドの王道と言いたくなるようなストーリーを、イラスト風に崩したグラフィックで漫画化した秀作。 血なまぐさい所もあるストーリーが、生々しさを感じさせることなく、かつ迫力たっぷりに表現されており、ラストにはゾクゾクするような感慨を受けた。
「もし、この作品が、フランス漫画にありがちなグラフィックや、いかにもハードボイルド調のグラフィックで漫画化されていたのなら、このような思いは感じなかったのでは?」
と、思った、漫画化担当の Brüno さんのセンスのきらめきが感じられた一冊だった。
ハードボイルドの王道と言いたくなるようなストーリーを、イラスト風に崩したグラフィックで漫画化した秀作。 血なまぐさい所もあるストーリーが、生々しさを感じさせることなく、かつ迫力たっぷりに表現されており、ラストにはゾクゾクするような感慨を受けた。
「もし、この作品が、フランス漫画にありがちなグラフィックや、いかにもハードボイルド調のグラフィックで漫画化されていたのなら、このような思いは感じなかったのでは?」
と、思った、漫画化担当の Brüno さんのセンスのきらめきが感じられた一冊だった。
【こんな人のお勧め】
【きわめて個人的な本の評価】
総合評価 : 4/5
ストーリー : 4/5
グラフィック : 4/5
カラーリング : 4/5
ストーリーボード : 3.5/5
フランス語難易度 : 2/5(易<難)
読みごこち : 4/5(難<易)
ストーリー : 4/5
グラフィック : 4/5
カラーリング : 4/5
ストーリーボード : 3.5/5
フランス語難易度 : 2/5(易<難)
読みごこち : 4/5(難<易)
【関連記事】
【外部リンク】
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- サスペンス・ホラー系BD
- Tag List
- ハードボイルド
- アングレーム国際漫画フェスティヴァル

ストーリー : D.Lapière, P-P.Renders
作画 : EFA, ELÍAS
彩色 : F.Cerminard, A.Ralenti
出版社 : Dupuis
本の種類 : ハードカバー(22x1x30)
ページ数 : 62頁
ISBN-10 : 2800157763
ISBN-13 : 978-2800157764
【概要】
一つのストーリーを複数の登場人物の視点から立体的に描いた、SF・ファンタスティック的要素があるサスペンス漫画「Alter ego」シリーズ通算第9巻目で、第2部の第二弾「DELIA」編。
シリーズ第一部で描かれていた『Alter ego』を巡る一連の事件を調査する調査委員会のメンバーとして選ばれたアメリカ合衆国の凄腕女性弁護士 Delia Mikulski の視点からストーリーが描かれてゆく。
(Dupuis 社の「Alter Ego - Saison 2 - Delia」紹介ページには、Alter Ego - Saison 2, Tome 3』の記述があるが、次に刊行が予定されている『GAIL』編の出版は、2014年6月に予定されているので、出版された順番から考えると、本書が第二弾に当たる事になる。)
シリーズ第一部で描かれていた『Alter ego』を巡る一連の事件を調査する調査委員会のメンバーとして選ばれたアメリカ合衆国の凄腕女性弁護士 Delia Mikulski の視点からストーリーが描かれてゆく。
(Dupuis 社の「Alter Ego - Saison 2 - Delia」紹介ページには、Alter Ego - Saison 2, Tome 3』の記述があるが、次に刊行が予定されている『GAIL』編の出版は、2014年6月に予定されているので、出版された順番から考えると、本書が第二弾に当たる事になる。)
【ストーリー】
国際医療援助ONG、WWZA を利用し、Urasawa が行っていた人体実験についての調査が始まった。 しかし、調査委員会に関係する二人の人間が急死するという事件が起こる。
この調査委員会のメンバーである Delia Mikulski は、ある夜帰宅した際に、二人の娘が『Alter ego』のセオリーを基盤とした宗教団体の熱心な信者である元夫により連れ去れた事を知り、途方に暮れる。
この調査委員会のメンバーである Delia Mikulski は、ある夜帰宅した際に、二人の娘が『Alter ego』のセオリーを基盤とした宗教団体の熱心な信者である元夫により連れ去れた事を知り、途方に暮れる。
【グラフィック】
シリーズ第一部と同様、これといったインパクトのない、BDにありがちな絵柄。
【ストーリーボード】
テキストを読んで絵を見ているだけで、頭を捻らなくてもストーリーが理解出来るように構成されている。
【読み心地】
まずまず。
【読後感】
先に紹介した「Alter ego」シリーズ第一部の後日談が語られる「Alter ego」シリーズ第二部の第二弾。 このシリーズ第二部は、「TEEHU」「GAIL」「DELIA」の3人の新登場人物の名前がタイトルとなった3冊+総括編により構成されるとの事である。
「TEEHU」編を読んだ時に、センセーショナルな『Alter ego』のセオリーの発表の後の世間の動きが取り扱われていないのに、物足りなさを感じたが、この「DELIA」編では、それを十二分に補う中々読み応えのある内容となっている。
シリーズ、ファースト・シーズンの他の作品と同様、ストーリーは「TEEHU」編と微妙に交差し、それぞれの立場、見方により、一つの出来事が複数のファセットを持つ複雑さが浮き彫りにされている。
この「DELIA」編は、続きがとっても気になる所で終わっているし、本編にちょっと顔を出す謎に満ちた存在である Gail が、次回作の主人公という事もあり、2014年6月に出版が予定されている「GAIL」編の刊行が待ち遠しい。
「TEEHU」編を読んだ時に、センセーショナルな『Alter ego』のセオリーの発表の後の世間の動きが取り扱われていないのに、物足りなさを感じたが、この「DELIA」編では、それを十二分に補う中々読み応えのある内容となっている。
シリーズ、ファースト・シーズンの他の作品と同様、ストーリーは「TEEHU」編と微妙に交差し、それぞれの立場、見方により、一つの出来事が複数のファセットを持つ複雑さが浮き彫りにされている。
この「DELIA」編は、続きがとっても気になる所で終わっているし、本編にちょっと顔を出す謎に満ちた存在である Gail が、次回作の主人公という事もあり、2014年6月に出版が予定されている「GAIL」編の刊行が待ち遠しい。
【こんな人にお勧め】
複数の人物の視点から立体的に描かれたストーリーの漫画を読みたい方
【きわめて個人的な本の評価】
総合評価 : 3.5/5
ストーリー : 4/5
グラフィック : 2.5/5
カラーリング : 2.5/5
ストーリーボード : 3/5
フランス語難易度 : 2/5(易<難)
読みごこち : 4/5(難<易)
ストーリー : 4/5
グラフィック : 2.5/5
カラーリング : 2.5/5
ストーリーボード : 3/5
フランス語難易度 : 2/5(易<難)
読みごこち : 4/5(難<易)
【関連記事】
【外部リンク】
- Category
- サスペンス・ホラー系BD
- 「Alter ego」シリーズ
- Tag List
- サスペンス漫画
- ファンタスティック系漫画
- 独創的な漫画
- Thread
- ジャンル : 本・雑誌
- テーマ : BD(フランス漫画)

ストーリー : D.Lapière, P-P.Renders
作画 : EFA, Luca Erbetta
彩色 : Benoît Bekaert, Christian Lerolle
出版社 : Dupuis
本の種類 : ハードカバー(22x1x30)
ページ数 : 64頁
【概要】
一つのストーリーを、複数の登場人物の視点から立体的に描いたSF・ファンタスティック的要素があるサスペンス漫画「Alter ego」シリーズ通算第8巻目で、第2部の第一弾「TEEHU」編。
シリーズ第一部に登場した Noah と Zélia が、『Alter ego』のセオリーを元に、創立したコミュニティーの一員である Teehu の視点からストーリーが描かれる。
シリーズ第一部に登場した Noah と Zélia が、『Alter ego』のセオリーを元に、創立したコミュニティーの一員である Teehu の視点からストーリーが描かれる。
【ストーリー】
国際医療援助を行うONG、WWZA の代表 Miranda Grynson の人質事件から3年後。 カナリア諸島にある島では、Noah が Zélia と共に『Alter ego』のセオリーを基盤として創立したコミュニティーの3周年記念の集会が開かれていた。
しかし、Noah の宗教団体の一員である父親により、不法に拉致された娘の引き渡しを求めるべく、集会中に、警官隊が島へ上陸する。
その混乱を利用し、Teehu は、Noah により隠されていたパスポートを取り戻し、自分が弟のようにかわいがっている Salam を連れ、島を逃げ出そうとする。
負債にまみれ、アルコール中毒でDVな父親から逃げ出した Teehu には、子供の頃から目の前にいる人の『Alter ego』を霊視出来る能力があった。 そのため、Teehu は、『Alter ego』のセオリーに惹かれ、Noah の組織の一員となった。 しかし、ある日、偶然に、組織の裏の顔を知ってしまった Teehu は、この島から逃げ出す事を決心したのだった。
しかし、Noah の宗教団体の一員である父親により、不法に拉致された娘の引き渡しを求めるべく、集会中に、警官隊が島へ上陸する。
その混乱を利用し、Teehu は、Noah により隠されていたパスポートを取り戻し、自分が弟のようにかわいがっている Salam を連れ、島を逃げ出そうとする。
負債にまみれ、アルコール中毒でDVな父親から逃げ出した Teehu には、子供の頃から目の前にいる人の『Alter ego』を霊視出来る能力があった。 そのため、Teehu は、『Alter ego』のセオリーに惹かれ、Noah の組織の一員となった。 しかし、ある日、偶然に、組織の裏の顔を知ってしまった Teehu は、この島から逃げ出す事を決心したのだった。
【グラフィック】
シリーズ第一部と同様、これといったインパクトのない、BDにありがちな絵柄。
【ストーリーボード】
テキストを読んで絵を見ているだけで、頭を捻らなくてもストーリーが理解出来るように構成されている。
【読み心地】
まずまず。
【読後感】
先に紹介した「Alter ego」シリーズ第一部の後日談が語られる「Alter ego」シリーズ第二部の第一弾。 このシリーズ第二部は、「TEEHU」「GAIL」「DELIA」の3人の新登場人物の名前がタイトルとなった3冊+総括編により構成されるとの事である。
「Alter ego」シリーズ第一部を読み終わり、このセンセーショナルな発表の後、世界がどのように変化したのか、とっても気になった。
しかし、この「TEEHU」篇では、そんな世界的なエコーは、あまり取り扱われずに、第一部の主人公の一人であった、大統領の息子 Noah が設立した宗教団体に入会した、『Alter ego』に係わる特殊能力を持った少女 Teehu を巡るお話が語られていく。
「TEEHU」篇を読んでみたところ、この『Alter ego』シリーズ、この第二部以降、第三部、第四部と続いてゆくロングシリーズになりそうな予感がした。
「Alter ego」シリーズ第一部を読み終わり、このセンセーショナルな発表の後、世界がどのように変化したのか、とっても気になった。
しかし、この「TEEHU」篇では、そんな世界的なエコーは、あまり取り扱われずに、第一部の主人公の一人であった、大統領の息子 Noah が設立した宗教団体に入会した、『Alter ego』に係わる特殊能力を持った少女 Teehu を巡るお話が語られていく。
「TEEHU」篇を読んでみたところ、この『Alter ego』シリーズ、この第二部以降、第三部、第四部と続いてゆくロングシリーズになりそうな予感がした。
【こんな人にお勧め】
複数の人物の視点から立体的に描かれたストーリーの漫画を読みたい方
【きわめて個人的な本の評価】
総合評価 : 3/5
ストーリー : 3/5
グラフィック : 2.5/5
カラーリング : 2.5/5
ストーリーボード : 3/5
フランス語難易度 : 2/5(易<難)
読みごこち : 4/5(難<易)
ストーリー : 3/5
グラフィック : 2.5/5
カラーリング : 2.5/5
ストーリーボード : 3/5
フランス語難易度 : 2/5(易<難)
読みごこち : 4/5(難<易)
【関連記事】
【外部リンク】
- 本書の一部が読めるアマゾン・フランスの「Alter Ego - Saison 2 - tome 1 - Teehu
」の頁
- Kindle 版「Alter Ego - Saison 2 - Teehu」のアマゾン・フランスの頁
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♥ Coup de coeur ♥
「Psycho investigateur
」
ストーリー : Erwan Courbier
作画・彩色 : Benoit Dahan
出版社 : PHYSALIS
本の種類 : ハードカバー(23.5x1.5x32)
ページ数 : 143頁
【概要】
【ストーリー】
【グラフィック・彩色】
【ストーリーボード(ネーム)】
【読み心地】
【読後感】
【こんな人のお勧め】
【きわめて個人的な本の評価】
【関連記事】
【外部リンク】

ストーリー : Erwan Courbier
作画・彩色 : Benoit Dahan
出版社 : PHYSALIS
本の種類 : ハードカバー(23.5x1.5x32)
ページ数 : 143頁
【概要】
人間の深層心理に潜んでいる記憶を探る事の出来る特殊能力を持った精神分析医 Simon Radius が、連続殺人事件を捜査する様を描いた、ファンタスティック、サスペンス漫画。
【ストーリー】
Simon Radius は、馴染みの Brody 警部の依頼で、連続殺人事件の容疑者の精神鑑定をした際に、容疑者が無実である事を発見する。 しかし、Simon の特殊能力を信じようとしない Brody 警部の部下や精神医は、Simon の事を詐欺師扱いする。 そこで、Simon は、独自に捜査をする事にしたのだが・・・
【グラフィック・彩色】
人物の描き方に少々クセのあるグラフィック。 過去の記憶等、描写がとても難しい人間の内的世界の描写が秀逸。
【ストーリーボード(ネーム)】
リズミカル。
【読み心地】
快適。
【読後感】
催眠状態にした人間の記憶に入り込む事の出来る特殊能力を持った精神分析医が、殺人事件を解決するという、オリジナリティー溢れるコンセプトのファンタスティック・サスペンス漫画。
ファンタスティック的な素材を取り入れた探偵物というのは、アイデアは良くても、それを読みごたえのある作品に仕立て上げるのは、並大抵の技量では成し得られないのは、過去の苦い読書経験から身にしみて分かっていた。 だから、本書も、一抹の不安を感じながら頁をめくっていったのだが、読み進んでいるにつれ、それが杞憂に過ぎない事を悟り、やがて不安が歓喜に変わって行った。
何人かの人間の過去のトラウマを編みこみ、巧妙に組み上げられたストーリーも素晴らしいが、何よりも、人間の記憶という抽象的な概念を臨場感たっぷりに描写した Benoit Dahan 氏の表現力には圧倒された。
絵柄には、ちょっとクセがあるので、好みにより評価が分かれるかもしれないが、本書の様な作品を読むと、『漫画は、はじめに、ストーリーありきであるが、そのストーリーを生かすも殺すも作画次第』であると、改めて痛感させられた。
ファンタスティック的な素材を取り入れた探偵物というのは、アイデアは良くても、それを読みごたえのある作品に仕立て上げるのは、並大抵の技量では成し得られないのは、過去の苦い読書経験から身にしみて分かっていた。 だから、本書も、一抹の不安を感じながら頁をめくっていったのだが、読み進んでいるにつれ、それが杞憂に過ぎない事を悟り、やがて不安が歓喜に変わって行った。
何人かの人間の過去のトラウマを編みこみ、巧妙に組み上げられたストーリーも素晴らしいが、何よりも、人間の記憶という抽象的な概念を臨場感たっぷりに描写した Benoit Dahan 氏の表現力には圧倒された。
絵柄には、ちょっとクセがあるので、好みにより評価が分かれるかもしれないが、本書の様な作品を読むと、『漫画は、はじめに、ストーリーありきであるが、そのストーリーを生かすも殺すも作画次第』であると、改めて痛感させられた。
【こんな人のお勧め】
オリジナリティーが感じられる探偵漫画を読みたい方。 精神世界の描写が巧みな漫画を読みたい方。
【きわめて個人的な本の評価】
総合評価 : 4/5
ストーリー : 4.5/5
グラフィック : 4/5
カラーリング : 3/5
ストーリーボード : 4/5
フランス語難易度 : 2/5(易<難)
読みごこち : 4/5(難<易)
ストーリー : 4.5/5
グラフィック : 4/5
カラーリング : 3/5
ストーリーボード : 4/5
フランス語難易度 : 2/5(易<難)
読みごこち : 4/5(難<易)
【関連記事】
オリジナリティー溢れるサスペンス漫画を読みたい方。 人間の精神世界を秀逸に表現した漫画を読みたい方。
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ストーリー : Esther Gil
作画・彩色 : Laurent Paturaud
出版社 : Daniel Maghen
本の種類 : ハードカバー(25x1x32.8)
ページ数 : 112頁
【概要】
亡命中のジャージー島を密かに抜け出し、娘 レオポルディーヌの溺死事故の真相を探るため、パリへ舞い戻ったヴィクトル・ユゴーの姿を美しいグラフィックに載せて描いたサスペンスタッチのBD。
漫画93頁 + Laurent Paturaud 氏のセピア色のイラストが添えられた Esther Gilによる12頁の作品解説 +デッサン集6頁のオールカラー112頁の豪華本。
漫画93頁 + Laurent Paturaud 氏のセピア色のイラストが添えられた Esther Gilによる12頁の作品解説 +デッサン集6頁のオールカラー112頁の豪華本。
【ストーリー】
ナポレオンの独裁政権に反対したため、フランスを追われ、ジャージー島で亡命生活を送っていたヴィクトル・ユゴーは、妻が催した降霊会で、19歳でこの世を去った娘レオポルディーヌの姿を垣間見る。 そして、レオポルディーヌの霊が浮かばれない事を確信したヴィクトル・ユゴーは、レオポルディーヌの謎に包まれた水死事故の原因を知るため、密かにジャージー島を抜け出し、フランスへ舞い戻る事にする。
【グラフィック・彩色】
水彩画のように美しく彩色された優美なグラフィックの漫画。 レ・ミゼラブルを始めとしたヴィクトル・ユゴーの著作を彷彿させる当時のパリの貧民街や、ジャージー島が、背景として美しく描き込まれている。 主人公が、夕暮れのセーヌ川のほとりで佇む場面には、その美しさに心を奪われた。 少々美化されたヴィクトル・ユゴー氏を始めとした作中人物の描き方には、BD特有のアクがない日本人好みの絵柄。
【ストーリーボード(ネーム)】
ふきだしのせりふでストーリー展開がなされるクラシックなBD作成法に則り構成されている。
【読み心地】
まあまあ。
【読後感】
高校時代にヴィクトル・ユゴーの詩を読んで以来、ヴィクトル・ユゴーに思い入れのある Esther Gil 氏が、史実と想像を元に組み立てたサスペンス漫画。 実在した人物を題材にしたフィクションを書くのが容易でないのは想像に難しくないが、Esther Gil 氏は、史実とヴィクトル・ユゴーの作品を上手く組み合わせ、辻褄の合ったストーリーを作り上げている。
ストーリーも悪くないけれど、本書の魅力は、やはり Laurent Paturaud 氏の華麗なグラフィック。 BDの原画の画廊を経営する Daniel Maghen 社から出版されているBDには、先にブログでも紹介した「Canoë Bay」や「Frenchman」の様な豪華なグラフィックの作品が多いのだが、本書もその例にもれない。 ジャージー島の曇天下の美しい海岸や、パリの貧民街などを、セピアを基調としたひなびた色調で描いたグラフィックには、ヴィクトル・ユゴー氏の作品の雰囲気そのもの。 作画担当の Laurent Paturaud さんには、是非、ヴィクトル・ユゴーの小説の漫画化も手がけてもらいたいなどと、思ってしまったくらいである。
少々美化されているかも?とは、思うものの、本書のヴィクトル・ユゴーは、私が抱いていたヴィクトル・ユゴー像にほぼ忠実。
ヴィクトル・ユゴーに特別な思い入れがある方が、本書を読んでどのように感じるか、とても気になる所である。
ストーリーも悪くないけれど、本書の魅力は、やはり Laurent Paturaud 氏の華麗なグラフィック。 BDの原画の画廊を経営する Daniel Maghen 社から出版されているBDには、先にブログでも紹介した「Canoë Bay」や「Frenchman」の様な豪華なグラフィックの作品が多いのだが、本書もその例にもれない。 ジャージー島の曇天下の美しい海岸や、パリの貧民街などを、セピアを基調としたひなびた色調で描いたグラフィックには、ヴィクトル・ユゴー氏の作品の雰囲気そのもの。 作画担当の Laurent Paturaud さんには、是非、ヴィクトル・ユゴーの小説の漫画化も手がけてもらいたいなどと、思ってしまったくらいである。
少々美化されているかも?とは、思うものの、本書のヴィクトル・ユゴーは、私が抱いていたヴィクトル・ユゴー像にほぼ忠実。
ヴィクトル・ユゴーに特別な思い入れがある方が、本書を読んでどのように感じるか、とても気になる所である。
【こんな人のお勧め】
ヴィクトル・ユゴーが主人公のサスペンスタッチの漫画を読みたい方。
美しいグラフィックがお目当てのBD愛好家。
美しいグラフィックがお目当てのBD愛好家。
【きわめて個人的な本の評価】
総合評価 : 4/5
ストーリー : 3.5/5
グラフィック : 5/5
カラーリング : 5/5
ストーリーボード : 3.5/5
フランス語難易度 : 2/5(易<難)
読みごこち : 3.5/5(難<易)
ストーリー : 3.5/5
グラフィック : 5/5
カラーリング : 5/5
ストーリーボード : 3.5/5
フランス語難易度 : 2/5(易<難)
読みごこち : 3.5/5(難<易)
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♥ Coup de coeur ♥
「Shutter Island (Bande déssiné)
」
著者 : Christian de Metter
原作 : Dennis Lehane
出版社 : Casterman
本の種類 : ハードカバー(18.5x2x26)
ページ数 : 131頁
【概要】
【ストーリー】
【グラフィック・彩色】
【ストーリーボード(ネーム)】
【読み心地】
【読後感】
【こんな人のお勧め】
【きわめて個人的な本の評価】
【関連記事】
【外部リンク】

著者 : Christian de Metter
原作 : Dennis Lehane
出版社 : Casterman
本の種類 : ハードカバー(18.5x2x26)
ページ数 : 131頁
【概要】
レオナルド・ディカプリオ主演で、マーティン・スコセッシ監督により映画化もされた、アメリカの作家デニス・ルヘインの小説「シャッター・アイランド(Shutter Island)」の、フランス人漫画家 Christian de Metter 氏の手による漫画化。
【ストーリー】
1950年台のアメリカ。 自分の子供達を殺害し、精神疾患のある犯罪者を隔離収容する孤島シャッター・アイランドにある刑務所収監されていた Rachel Solando が、シャッター・アイランドから失踪した。 そして、その事件の捜査のため、Teddy Daniels et Chuck Aule という二人の連邦保安官が、シャッターアイランドを訪れる。
妻の死から未だに立ち直っていない Teddy は、この機会を利用して、ある捜査を独自で進めようとしたのだが・・・
妻の死から未だに立ち直っていない Teddy は、この機会を利用して、ある捜査を独自で進めようとしたのだが・・・
【グラフィック・彩色】
グレーがかったセピア系の色調で、彩色されている水彩風のグラフィック。 ペンで縁取りされていない、直接彩色を使用したグラフィックなのだが、作中人物が感情豊かに表現されており、作品の持つ重々しく、陰鬱な雰囲気が見事に再現されている。
【ストーリーボード(ネーム)】
ふきだしの会話でストーリー進行がなされるクラシックなBD手法が取り入れられているが、せりふの分配の仕方や、間のとり方が上手く、リズミカル。
【読み心地】
推理小説的な下りがあるため、テキスト部分が集中している所もあるが、快適な読み心地を得ることが出来た。
【読後感】
日本でも公開された映画「シャッター・アイランド」の原作の小説のフランス人漫画家の手による漫画化。
本書の出版は、2008年なので、2009年に公開された映画版「シャッター・アイランド」より、1年前に出版されている事になる。
私は、原作は未読だし映画も見ていないのだが、原作と映画は、ラストが違っているという事を聞いていたので、この漫画のラストは、原作に忠実なのか、それとも映画の様に、手が加えられているのか、興味を引かれネットで調べてみたが、ネットの記述によると、どうやら、本書は原作に忠実に書かれているようである。
サスペンス小説をBDにした作品は、今まで何冊か読んだ事があるが、大半の作品は、ストーリーを追うのに精一杯で、作中人物の心理描写がおざなりになりがち。 おまけに、小説に忠実であろうとするせいか、テキスト部分が多く、ごちゃごちゃしている。 そんなわけで、サスペンス小説が原作のBDは、敬遠しがちになっていたのだが、本書は、そんな固定観念を見事に覆してくれた。
陰鬱で重苦しい雰囲気を再現した、直接彩色のグラフィックも見事だが、私が、評価したいのは、セリフの配分と、間の取り方の絶妙さ。
描き方によっては、錯綜してしまう危険性を含んでいる、幾通りにも解釈する事の出来るストーリーを、すっきりと、わかりやすく、漫画化した Christian de Metter 氏の技量には、感服させられた。
私は、原作を読んでいないので、現時点では原作と比較する事が出来ないが、とてもよく出来ているサスペンスなので、原作がどうなっているのか、とても気になってしまった。
本書が気に入られたなら、このブログで先に紹介した Fabrice Caro 氏の小説の Christian de Metter 氏による漫画化「Figurec」も、手に取る事をお勧めしたい。
本書の出版は、2008年なので、2009年に公開された映画版「シャッター・アイランド」より、1年前に出版されている事になる。
私は、原作は未読だし映画も見ていないのだが、原作と映画は、ラストが違っているという事を聞いていたので、この漫画のラストは、原作に忠実なのか、それとも映画の様に、手が加えられているのか、興味を引かれネットで調べてみたが、ネットの記述によると、どうやら、本書は原作に忠実に書かれているようである。
サスペンス小説をBDにした作品は、今まで何冊か読んだ事があるが、大半の作品は、ストーリーを追うのに精一杯で、作中人物の心理描写がおざなりになりがち。 おまけに、小説に忠実であろうとするせいか、テキスト部分が多く、ごちゃごちゃしている。 そんなわけで、サスペンス小説が原作のBDは、敬遠しがちになっていたのだが、本書は、そんな固定観念を見事に覆してくれた。
陰鬱で重苦しい雰囲気を再現した、直接彩色のグラフィックも見事だが、私が、評価したいのは、セリフの配分と、間の取り方の絶妙さ。
描き方によっては、錯綜してしまう危険性を含んでいる、幾通りにも解釈する事の出来るストーリーを、すっきりと、わかりやすく、漫画化した Christian de Metter 氏の技量には、感服させられた。
私は、原作を読んでいないので、現時点では原作と比較する事が出来ないが、とてもよく出来ているサスペンスなので、原作がどうなっているのか、とても気になってしまった。
本書が気に入られたなら、このブログで先に紹介した Fabrice Caro 氏の小説の Christian de Metter 氏による漫画化「Figurec」も、手に取る事をお勧めしたい。
【こんな人のお勧め】
サスペンス小説を巧みに漫画化した作品を読みたい方。 直接彩色で描かれたバンド・デシネを読みたい方。 デニス・ルヘインの小説「シャッター・アイランド(Shutter Island)」の漫画化に興味のある方。
【きわめて個人的な本の評価】
総合評価 : 4/5
ストーリー : 5/5
グラフィック : 4/5
カラーリング : 5/5
ストーリーボード : 4/5
フランス語難易度 : 2/5(易<難)
読みごこち : 4/5(難<易)
ストーリー : 5/5
グラフィック : 4/5
カラーリング : 5/5
ストーリーボード : 4/5
フランス語難易度 : 2/5(易<難)
読みごこち : 4/5(難<易)
【関連記事】
【外部リンク】
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