フランス語の本の読書記録 : Category [ 「Lincoln」シリーズ ]

フランス語の小説、漫画、エッセイ等の読書の記録

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神様に不死にしてもらった、ひねくれ者のカーボーイが主人公のユーモア・フランス漫画「Lincoln」第8巻

16:06

表紙写真lincoln8「Lincoln, Tome 8 : Le démon des tranchées」

ストーリー : Olivier Jouvray
作画    : Jérôme Jouvray
彩色    : Anne-Claire Jouvray
分類 : ユーモア漫画


出版社  : Paquet
本の種類 : ハードカバー(22x1x30)
ページ数 : 48頁


【概要】
神様に不死にしてもらった、ひねくれ者のカーボーイの冒険を描いたユーモア系バンド・デシネ「Lincoln」シリーズ第8巻。  アメリカ海軍の兵士となり、第一次大戦中のフランスへ派遣された Lincoln は、フランス女性とワイン三昧の日々を送ろうと企んだのだが・・・

【ストーリー】
アメリカ海軍の兵士となった Lincoln は、フランスへ向かう軍艦で他の兵士を相手の博打であら儲けをしていた。  フランスへ着いたら、この金で酒をたんまり買い込み、かわいい女の子をナンパして、ゴキゲンな日々を送ろうと目論んでいたのだが、妙な成り行きから、Lincoln はフランス軍の兵士として前線で戦闘に参加する羽目になってしまう。

【グラフィック・彩色】
フランスのユーモアBDに特有のアクやクセのない、ちょっとカワイイ感じのする、好感の持てる絵柄。  作中人物の感情や動きの描写が巧み。

【ストーリーボード(ネーム)】
コマのセリフでストーリーが説明されるクラシックなBD作成法に、基き構成されているが、テキスト配分が上手く、リズミカルさが感じられる。

【読み心地】
快適。

【読後感】
神様に不死にしてもらった、ひねくれカーボーイ Lincoln の冒険を描いたユーモア漫画「Lincoln」シリーズ第8巻。  

この Lincoln シリーズ、初めのうちはメチャ面白かったのだけど、5巻辺りから、巻を重ねる事に面白さがダウンしている様に感じられていたのだが、この第8巻では何度か笑みが漏れた。  運命のイタズラに誘われ、自分の意図した方向と全く正反対の方向へ突進してゆく主人公の姿には、ここ数年に刊行された Lincoln シリーズの作品にはなかったひねりが感じられ、かなり楽しむことが出来た。

【こんな人のお勧め】
「Lincoln」シリーズのファン。  ひと味違ったフランス製ユーモア漫画が読みたい方。
 
【きわめて個人的な本の評価】
総合評価     : 4/5
ストーリー    : 4/5
グラフィック   : 3.5/5
カラーリング   : 3.5/5
ストーリーボード : 3/5
フランス語難易度 : 2/5(易<難)
読みごこち    : 4/5(難<易)

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「Lincoln」シリーズ

【外部リンク】
『Lincoln』シリーズ公式サイト

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神様に不死にしてもらった、ひねくれ者のカーボーイが主人公のフランス漫画「Lincoln」第7巻

15:37

表紙写真Lincoln7「Lincoln, Tome 7 : Le Fou sur la Montagne」

ストーリー : Olivier Jouvray
作画    : Jérôme Jouvray
彩色    : Anne-Claire Jouvray
分類 : ユーモア漫画

出版社  : Paquet
本の種類 : ハードカバー(22x1x30)
ページ数 : 48頁


【概要】
神様に不死にしてもらった、ひねくれ者のカーボーイの冒険を描いたユーモア系バンド・デシネ「Lincoln」シリーズ第7巻。  今回の舞台は、禁酒時代のアメリカのモンタナにある小さな町。

【ストーリー】
町から離れた、雪の深い山に建てた粗末な小屋に住みついた
Lincoln は、素手で熊を狩り、その毛皮を町で売り、酒を買うのを楽しみに日々を過ごしていた。 
 
ところが、酔っ払い達に辟易していた町の夫人らと牧師が、この辺境の町にも禁酒法を適用させる事にしたため、町の男たちはパニックに陥る。  
そこで、酒屋の主人から酒造りの道具を借りた Lincoln は、アル中の浮浪者達と共に、山小屋で密造酒を造る事を思いついたのだが・・・、

【グラフィック・彩色】
ラフなタッチのグラフィック。 ユーモア系BDにありがちなアクやクセのない、好感の持てる絵柄。 動きや、感情表現に長けている。

【ストーリーボーロ(ネーム)】
リズミカル。

【読み心地】
快適。

【読後感】
神様に不死身にされてしまったひねくれカーボーイ Lincoln の冒険を綴ったユーモア漫画「Lincoln」第7巻。

この「Lincoln」シリーズ、一連の流れを組んでストーリーは展開しているのだが、一応1巻完結スタイルになっている。  しかし、この第7巻では、ストーリーのお膳立てがそろった所で終わっており、この禁酒時代を舞台にした一連のストーリーは完結していないように感じられた。

1~4巻程の精彩は感じられなかったが、次巻の展開が期待できる内容となっている。

【こんな人にお勧め】
「Lincoln」シリーズのファン。  ひと味違ったフランス製ユーモア・ウェスタン漫画が読みたい方。
 
【きわめて個人的な本の評価】
総合評価     : 3/5
ストーリー    : 3/5
グラフィック   : 3/5
カラーリング   : 3/5
ストーリーボード : 4/5
フランス語難易度 : 1/5(易<難)
読みごこち    : 5/5(難<易)

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神様に不死にしてもらった、ひねくれ者のカーボーイの冒険を描いたフランス漫画

21:04

表紙写真 Lincoln6「Lincoln, Tome 6 : French Lover」

ストーリー : Olivier Jouvray
作画    : Jérôme Jouvray
彩色    : Anne-Claire Jouvray
分類 : ユーモア漫画

出版社  : Paquet
本の種類 : ハードカバー(22x1x30)
ページ数 : 48頁


革命にうんざりした革命軍の女指導者 Saledena は、家族と平穏な暮らしを送るため、Lincoln と共にメキシコを去る。 そして、アメリカの領土に足を踏み入れた Saledena は、メキシコからの移民狩りをしているカーボーイ達に、捕まってしまう。 Lincoln の口八丁で、なんとか、危機を避ける事が出来たものの、気を害した Saledena は、Lincoln を置いて一人で、家族の住む難民キャンプへ向かう。 

Saledena に肘鉄をくらい、ふてくされて、野原でごろ寝をしていた Lincoln は、アメリカ人のふりをしようと考えたメキシコ移民から、気ぐるみはがれてしまう。 仕方がないので、そこに残されていたポンチョをまとって旅を続けようとした Lincoln だが、メキシコ人と間違われて、憲兵に捕まり、難民キャンプに収容されてしまう。


神様に不死にしてもらった、ひねくれ者のカーボーイの冒険を描いた「Lincoln」シリーズの最新作。 2010年アングレム国際漫画フェスティヴァル、Sélection Officielle(公式セレクションノミネート作品。

今までの「Lincoln」シリーズは、お話は続いているものの、1巻完結だったので、先の巻を読まなくても、その巻のストーリーを理解する事が出来たのですが、この6巻は、前巻の後日談になっているので、本書を開く前に、5巻を先に読まれることをお勧めします。

行きがかり上、Saledena をエスコートして来た Lincoln。 自立心と、プライドの高い Saledena に、肘鉄をくらわされ、「それなら、いいもん」と、諦めモードの Lincoln だったのですが、神様と悪魔の両方からつっつかれ、またもや Saledena の加勢をする羽目に・・・

初めのうちは、移民を取り巻く現在のヨーロッパの状況や、第三世界の国の革命に『自分探し』を求める先進国の若者、など、現代社会の風刺?と、思わせる、下りが出てきたりするので、期待しながら読み進んでいたのですが、作品が進むにつれて、そんな要素はすっかり姿を消してしまいます。

テキスト部分がやたら多くて、読みにくかった第5巻に比べると、この第6巻は、大変読みやすく漫画化されており、滑らかな読み心地を楽しむ事が出来ました。
読み心地がいいのは、とても、うれしかったのですが、あまりに、スパイスに欠けたストーリーには、かなり失望させられてしまいました。

神様の奮闘の甲斐あってか(?)、へそまがりで、アウトローだった Lincoln が、この巻では、全く普通の人になってしまったようで、これなら、このシリーズを続けていく意味があるのかしら?と、疑問を持ちました。

【こんな人にお勧め】
ユーモア・ウェスタン漫画が読みたい方。
 
【きわめて個人的な本の評価】
総合評価     : 2/5
ストーリー    : 2/5
グラフィック   : 3/5
カラーリング   : 3.5/5
ストーリーボード : 3/5
フランス語難易度 : 2/5(易<難)
読みごこち    : 3.5/5(難<易)

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2010年6月3日に一部加筆修正。2013年4月11日にレイアウト修正。

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神様に不死にしてもらった、ひねくれ者のカーボーイの冒険を描いた「Lincoln」第5巻

21:01

表紙写真 Lincoln5「Lincoln, Tome 5 : Cul nu dans la plaine」

ストーリー : Olivier Jouvray
作画    : Jérôme Jouvray
彩色    : Anne-Claire Jouvray
分類 : ユーモア漫画

出版社  : Paquet
本の種類 : ハードカバー(22x1x30)
ページ数 : 48頁


神様に連れられて、Lincoln は、メキシコへやって来た。
無能な総裁に支配されている国土では、Saldena と呼ばれる女性指揮官に率いられた革命軍と政府軍が火花を散らしていた。

Lincoln と Saldena を接触させて、Lincoln を革命の英雄にしようと、神様は企んだようなのだが・・・


おなじみ「Lincoln」シリーズの最新刊。

本を開いて、初めに感じたのは、

「ひぇー、読むところが多い!」

このシリーズ、テキスト部分が少なくて、とても読みやすいのが気に入っていたのですが、この第5巻目は、ストーリーを絵で説明するのではなく、作中人物のだらだらとした台詞で説明するという、私の苦手なフランス漫画のスタイルで書かれているので、少々戸惑ってしまいました。

読むところが多いので、ストーリーは今までよりもレベルアップしたかというと、これもがっかり。
1巻から4巻に見られた、洒落たエスプリは、ほんのちょっぴり残っているようですが、ストーリー自体は、凡庸。

こんなに苦労して読んだのに・・・

と、最後のページを読み終わって、恨み言を言いたくなりました。

【こんな人にお勧め】
ユーモア・ウェスタン漫画が読みたい方。
 
【きわめて個人的な本の評価】
総合評価     : 1.5/5
ストーリー    : 1.5/5
グラフィック   : 3/5
フランス語難易度 : 2/5(易<難)
読みごこち    : 2/5(難<易)

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フランス人のエスプリに満ちているユーモアウエスタン漫画「Lincoln」シリーズ第4巻

20:57

♥ Coup de coeur ♥
表紙写真 Lincoln4「Lincoln, Tome 4 : Châtiment corporel」

ストーリー : Olivier Jouvray
作画    : Jérôme Jouvray
彩色    : Anne-Claire Jouvray
分類 : ユーモア漫画、お勧め漫画


出版社  : Paquet
本の種類 : ハードカバー(22x1x30)
ページ数 : 48頁


ニューヨークの刑事となり、賄賂をがっぷり蓄え、貫禄がついた Lincoln。
ここ、数年、神様も悪魔も彼の前に姿を見せないので、平安に汚職に励む日々を送っていた Lincoln でしたが、ある日、神様と悪魔が彼の目の前に現れます。 Lincoln の行いに、不服な神様は、Lincoln に、彼がニューヨークから立ち去るよう、お膳立てを整えたと、告げます。

そして、Lincoln は、警官に囲まれ、汚職のカドで逮捕されてしまいます。  裁判でも、彼お得意の皮肉を連発、裁判官も汚職に足を突っ込んでいる事を暴露したため、Lincoln は、禁固200年の刑を受けてしまいます。

そして、そんな Lincoln は、狂信的なキリスト教徒で、囚人の人権など全く眼中にない所長のいる、刑務所に拘置されることになったのですが・・・

へへへ。  この Lincoln シリーズの2、3巻もとっても良かったけれど、この第4巻も、期待を裏切らない面白さ。

とにかく、このシリーズ、ストーリーがとてもいい。
1~3巻同様、独創的なストーリーに加え、作品のあちこちに宝石のようにちりばめられている、フランス人特有のユーモアが、作品全体を引き立てています。

映画や、テレビドラマで何度も取り上げられている、かつてのアメリカの刑務所での、囚人達の過酷な拘置条件が。本巻のテーマとなっています。  使い古されたテーマなのですが、適度なユーモアと、独特な語りまわしで、今まで見た映画等とは一味違った作品に仕上がっています。

特にラストには、フランス人特有のアイロニーが感じられ、「むふふ」と、笑みが自然とこぼれてしまいました。

Lincoln シリーズファンの期待を裏切らない作品だと思います。

【こんな人にお勧め】
フランス人のエスプリが感じられるユーモア漫画が読みたい方。 ユーモア・ウェスタン漫画が読みたい方。
 
【きわめて個人的な本の評価】
総合評価     : 4/5
ストーリー    : 5/5
グラフィック   : 3.5/5
フランス語難易度 : 2/5(易<難)
読みごこち    : 4/5(難<易)

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テーマ : BD(フランス漫画)
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フランス人のエスプリに満ちているユーモアウエスタン漫画「Lincoln」シリーズ第3巻

20:53

表紙写真 Lincoln3「Lincoln, Tome 3 : Playground」

ストーリー : Olivier Jouvray
作画    : Jérôme Jouvray
彩色    : Anne-Claire Jouvray
分類 : ユーモア漫画

出版社  : Paquet
本の種類 : ハードカバー(22x1x30)
ページ数 : 48頁


海辺のリゾートで、ヴァカンスを楽しんでいた Lincoln と神様の所へ、第2巻で登場した悪魔が現れます。

翌日、目を覚ました、Lincoln は、自分がニューヨークのアパートの1室にいる事に気づきます。 そして、彼の傍らには、悪魔の姿が・・・。

そして、悪魔は、計画した通り、かつて話しをつけていた、強盗団の所へ、Lincoln を連れて行くのですが・・・


ファー・ウエストから、舞台は変り、Lincoln 第3巻は、同時代のニューヨークが舞台。
なにしろ、へそまがりで、あまのじゃくの主人公、Lincoln、悪魔のいう事にやすやす従うはずはありません。

相変わらず、読者を引きずりこんで、離さない、魅力的なストーリー。
又、漫画化の仕方も達者で、リズミカルに進行するので、読み終わるまで、本を手放せません。

ニューヨークという意外な舞台に紛れ込んでしまった Lincoln。
どうなることかと、はらはらしたのですが、前作と同様、シリーズのファンの期待を裏切らない出来となっています。

【こんな人にお勧め】
フランス人のエスプリが感じられるユーモア漫画が読みたい方。 ユーモア・ウェスタン漫画が読みたい方。
 
【きわめて個人的な本の評価】
総合評価     : 4/5
ストーリー    : 4/5
グラフィック   : 3.5/5
フランス語難易度 : 2/5(易<難)
読みごこち    : 4/5(難<易)

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フランス人のエスプリに満ちているユーモアウエスタン漫画「Lincoln」シリーズ第2巻

20:46

表紙写真 Lincoln2「Lincoln, tome 2 : Indian Tonic」

ストーリー : Olivier Jouvray
作画    : Jérôme Jouvray
彩色    : Anne-Claire Jouvray
分類 : ユーモア漫画

出版社  : Paquet
本の種類 : ハードカバー(22x1x30)
ページ数 : 48頁


成り行きから、意に反して、正義の味方になってしまった Lincoln。
彼を慕う3人の若者を追い払うことが出来ないまま、旅を続ける Lincoln 一行が、たどり着いた町で、神様が買った写真機で記念 撮影をしていると、彼らの背後の建物が爆発する。
爆発犯人だと思われるインデアンの若者を捕まえて、彼の話を聞いているうちに、Lincoln は、この町を支配している、市長と保安官の行いに、怒りを感じ、何とか、この若者に手を貸したいと思うのだが・・・

Lincoln シリーズの第2弾。
第1巻では、行き所のない怒りを向ける対象が見つけられないまま、世界全体を憎み、罵倒していた主人公ですが、この2巻では、彼の人生に対する怒りが、悪徳市長と保安官に向かって爆発します。

相変わらず、シニックな主人公が、『正義』に目覚める様が、可愛い神様や、ドジの3人組、そして、第1巻ではちょっとしか姿を見せなかった悪魔を交え、程よいユーモアを交えながら、語られます。

この第2巻、悪徳市長と保安官によって、虐げられるインデアンを救うという筋書き自体は、ウエスタン映画などで、使い古されたものなのすが、ストーリーの運び方がとてもうまいので、既成のウエスタンものとは、一味違った洒落た作品となっています。

又、1巻同様、とても読み易く漫画化されていたフランス漫画でした。
第1巻が気に入られた方には、お勧めできる作品だと思います。

【こんな人にお勧め】,
フランス人のエスプリが感じられるユーモア漫画が読みたい方。 ユーモア・ウェスタン漫画が読みたい方。
 
【きわめて個人的な本の評価】
総合評価     : 4/5
ストーリー    : 4/5
グラフィック   : 3.5/5
フランス語難易度 : 2/5(易<難)
読みごこち    : 4/5(難<易)

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フランス人のエスプリに満ちているユーモアウエスタン漫画「Lincoln」シリーズ第1巻

20:40

♥ Coup de coeur ♥
表紙写真 Lincoln1「Lincoln, tome 1 : Crâne de Bois」

ストーリー : Olivier Jouvray
作画    : Jérôme Jouvray
彩色    : Anne-Claire Jouvray
分類 : ユーモア漫画、アングレーム国際漫画フェスティヴァル、お勧め漫画

出版社  : Paquet
本の種類 : ハードカバー(22x1x30)
ページ数 : 48頁


アル中の父親と娼婦の間に生まれ、酒場で育った孤児の Lincoln が主人公の一味違ったウエスタン漫画。
ひねくれた性格で、アマノジャクで、意地悪で、口が悪くて、悪賢い Lincoln は、村の問題児。 あまりの悪行に愛想を付かされ、とうとう、19歳のときに、生まれ育った酒場を追い出されてしまいます。
そこで、反省するするどころか、Lincoln は、夜、店に忍び込んで、拳銃を盗み、馬屋に火をつけ、そのどさくさにまぎれて、馬を盗み、生まれ育った村を後にします。

気のいい、神父に一晩の宿と、食事を恵まれますが、Lincoln は、食料と馬を盗み、恩をあだで返し、教会を後にします。

そんな Lincoln が、川辺で、ダイナマイト釣りをしていると、神様がやって来て、彼に話しかけます。

「あんたが作った、ばかっぴろいばかりの下らない世界で、喜びなんか見つけられるはずがない」と、神に言う Lincoln。
「この世界で、喜びを見つける事は可能だよ」と、断言する神に対し、
「それにゃ、かなりの時間がかかるよ、俺は、きっとその前に死んでるよ」
と、答えた Lincoln に、自分の主張が正しい事を認めさせるために、神は、Lincoln を不死にする事にしたのですが・・・


ミクシーの「BDについてもっと知りたい!」コミュニティーで紹介された作品。 前々から読みたかったのですが、図書館では、第1巻はいつでも貸し出し中。 先日、図書館に行ったときに、やっと借りることが出来ました。
2007年5月現在、4巻まで出ている「Lincoln」シリーズの第1巻目です。

正義も義理も、他人の迷惑も、全く眼中にない、とてつもなく、ひねくれた、性格のヒーローと、『実験』のため、彼に付きまとう、おかしな神様を中心に展開活躍する、一味も二味も変わっている、ユーモアウエスタン漫画。

ポンチョを着た農民の姿をしている神様、人がいいのは、まあ、神様だから、当たり前かもしれないけれど、この神様、ちょっと抜けていて、Lincoln に有り金を巻き上げられてしまい、通りかかった悪魔に、借金したりします。

そんな、フランス人のシニックなユーモアがところどころ、ちらばめられているので、読んでいて、何度も声を上げて笑ってしまいました。

限りなくシニックで、意地の悪い、どうしようもない主人公ですら、おおらかなやさしさで包み込んで、ユーモアに変えてしまう、そんな不思議な漫画。 
そして、どことなく、とぼけている感じが、とっても、お洒落に見える、抜群のセンスが感じられるグラフィックが、このストーリーの魅力を増大させています。

そして、全体的に、スピード感がある、超快適な読み心地、最近、読んだBDの中で、読み易さの点からいったら、トップクラスに入る作品です。
活字部分を、最低限に抑えて、大部分のストーリーを絵で表現するスタイルの漫画なのだけど、読むところが少ないからといって、内容がうすっぺらというわけではありません。 厳密に吟味され、考えられた、文章のみを用いているので、ふきだしの中のテキストを読むだけで、十二分に、作中人物の複雑な気持ちが伝わって来ます。

だらだら、ごちゃごちゃ、ふきだしの台詞を欄列させるタイプのフランス漫画を描く漫画家に、この漫画を読んで少しは勉強しろ!と、言いたくなる、そんなタイプの漫画ですね。

果たして、Lincolnは、改心する事が出来るのでしょうか?
ああ、続きが読みたい。

どうやら、このシリーズにすっかり、はまってしまったみたいです。

本書は、2003年アングレーム国際漫画フェスティヴァルの『Prix du dialogue et de l'écriture(シナリオ賞)』にノミネートされました。

【こんな人にお勧め】
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私が実際読んでみて感じたままに、独断と偏見で評価しています。もし、あなたの評価と違ったらごめんなさい。

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