フランス語の本の読書記録 : Category [ 「Julius Corentin Acquefacques, prisonnier des rêves」シリーズ ]

フランス語の小説、漫画、エッセイ等の読書の記録

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マルク=アントワーヌ・マチュー著「Julius Corentin Acquefacques, prisonnier des rêves」シリーズ最新作(2013年5月現在)

00:10

♥ Coup de coeur ♥
表紙写真decalage「Julius Corentin Acquefacques, prisonnier des rêves, Tome 6 : Le décalage」

著者 : Marc-Antoine Mathieu
分類 : 白黒漫画、ファンタスティック系漫画、独創的な漫画、風刺漫画、お勧め漫画

出版社  : Delcourt
本の種類 : ハードカバー(23x0.8x32)
ページ数 : 62頁


【概要】
人口増加と住宅難のため、省スペースを極限まで追求した住宅に住む、Julius Corentin Arcquefacques 氏の荒唐無稽な毎日を描いた(はず)の奇想天外な白黒漫画「Julius Corentin Acquefacques, prisonnier des rêves」シリーズ第6巻。

【ストーリー】
本シリーズの主人公 Julius Corentin Arcquefacques が、空飛ぶベッドに乗って、時空を駆け抜けていってしまったため、主人公不在のBD(漫画)に取り残され、宛もなく彷徨う羽目になった Julius Corentin Arcquefacques の隣人 Hilarion Ozéclat とその知人 Dalenvert 兄弟の姿が描かれてゆく。

【グラフィック】
1~5巻同様、ストーリーの持つ不条理さにピッタリな、コントラストの強い白黒の個性的なグラフィック。

【ストーリーボード】
斬新奇抜で、ダイナミックで、リズミカル。 この「Julius Corentin Acquefacques, prisonnier des rêves」シリーズ恒例のトリック(特別趣向)は、本そのものに仕掛けられている。

【読み心地】
快適。

【読後感】
突拍子もない定理により成り立っている、シュールな世界の住人 Julius Corentin Arcquefacques 氏が主人公の「Julius Corentin Acquefacques, prisonnier des rêves」シリーズ最新刊(2013年5月現在)

この「Julius Corentin Acquefacques, prisonnier des rêves」シリーズ、どの巻も斬新なアイデアの元、描かれている上、巻を重ねる度に面白くなるのだが、この第6巻のコンセプトの大胆さと斬新さは、これまでの巻をはるかに凌いでいる。

それにしても、このシリーズは読む度に、よくも毎回毎回、こんな荒唐無稽なストーリーを考えつくものだと、驚愕していたのだが、この巻のコンセプトには、本シリーズの中で最も驚かされた。

おまけに、哲学的な思考がほのかに感じられる、言葉遊びを取り入れたふきだしのセリフも美味だし、放縦不羈に見えて、実は理論的に進行するストーリーの影には、BDを初めとした物語物へのカリカチュアが、垣間見られるような気がした。

それにしても、こんな斬新奇抜なコンセプトを考えつくマルク=アントワーヌ・マチューさんの非才ぶりには、今回も脱帽。 

今年はまだ7ヶ月も残っているけれど、2013年ベスト・セレクションBD部門第1位は、ほぼ、この作品に決定した模様。 

【こんな人にお勧め】
世界の漫画史上に名を残す鬼作を読んでみたい方。 
奇想天外な漫画を読んでみたい方。  シュールな漫画が好きな方。 マルク=アントワーヌ・マチュー氏のファン。

【きわめて個人的な本の評価】
総合評価     : 5/5
ストーリー    : 5/5
グラフィック   : 3.5/5
ストーリーボード : 5/5
フランス語難易度 : 2/5(易<難)
読みごこち    : 4/5(難<易)

【関連記事】
  • 「Julius Corentin Acquefacques, prisonnier des rêves」シリーズ
  • 著者名別索引・BD 【著者名 M】Marc-Antoine Mathieu

【外部リンク】
  • 本書の一部が読める Delcourt 社の「Julius Corentin Acquefacques, tome 6」の頁
  • マルク=アントワーヌ・マチュー著「Les Sous-sols du Révolu」の邦訳「レヴォリュ美術館の地下」のアマゾン。ジャパンの頁

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ファンタジー・ファンタスティック系BD
「Julius Corentin Acquefacques, prisonnier des rêves」シリーズ
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ジャンル : 本・雑誌
テーマ : BD(フランス漫画)
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マルク=アントワーヌ・マチュー著「Julius Corentin Acquefacques, prisonnier des rêves」シリーズ第5弾

17:02

♥ Coup de coeur ♥
表紙写真La 2.333e dimension「Julius Corentin Acquefacques, tome 5 : La 2,333ème Dimension」

著者 : Marc-Antoine Mathieu
分類 :  白黒漫画、ファンタスティック系漫画、風刺漫画、独創的な漫画、お勧め漫画

出版社  : Delcourt
本の種類 : ハードカバー(23x1x32)
ページ数 : 46頁


【概要】
人口増加と、住宅難のため、省スペースを極限まで追求した住宅に住む、Julius Corentin Arcquefacques 氏の、荒唐無稽な毎日を描いた、奇想天外な白黒漫画、「Julius Corentin Acquefacques, prisonnier des rêves」シリーズ第5巻。

【ストーリー】
Julius Corentin Arcquefacques 氏の住む建物の前で、完全防御服を見にまとった二人の Oniroactivité 検査官は、不審な音波を感知する。  音波が、Julius Corentin Arcquefacques 氏の部屋から発信されている事を探知した検査官らは、Julius Corentin Arcquefacques 氏の部屋のドアを爆破し、Julius Corentin Arcquefacques 氏の部屋へ入る。 

そして、そこで、机に突っ伏して寝入っている Julius Corentin Arcquefacques 氏のまわりに、二人は網をかけ、彼の帽子を取り外す。  すると、空洞になっていた Julius Corentin Arcquefacques 氏の頭の中から、無数の紙切れが吹き出してくる。  ところが、飛び散る紙を、網で、全て捕獲しようとした、捕獲員たちは、一枚の紙を取り逃がしてしまう。

以前にブログで紹介した本シリーズの4冊の既刊に劣らない、不条理を極めた、突飛で、型ハズレな、奇想天外なストーリー。

【グラフィック】
1~4巻同様、背景の大部分が黒のベタ塗りになっている、コントラストの強い白黒のグラフィックの漫画。 しかし、作品の後半は、3Dグラフィックになっている。


【ストーリーボード】
ダイナミックで、リズミカル。

【読み心地】
快適

【読後感】
先に紹介した「Julius Corentin Arcquefacques」シリーズと同様、荒唐無稽に理論的な、夢とも幻想とも取りかねる、独特な世界観を元に構築された「Julius Corentin Arcquefacques」シリーズ第5巻。

2次元と3次元の境界に位置する、2.333次元で展開するストーリーでは、夢と現実の関係について言及されており、本シリーズの第1~4巻より、1歩踏み込んだ内容のストーリーとなっている。

このシリーズ好例の、トリックというか特別趣向は、3Dグラフィック。 本書の巻末には、3D用の色メガネが添付されており、おしまいの3章が、3Dグラフィックになっている。  
毎回、よく、読者をアット言わせる『特別趣向』を考えつくものかと、今回もマルク=アントワーヌ・マチュー氏の才知には、感服させられた。

本書の初版が2004年で、それ以降、続編が刊行されていないので、残念なことだが、事実上、本巻がシリーズ最終巻であるようだ。 

今まで読んだBDシリーズの中での、一番のお気に入りは?

と、問われたら、躊躇する事なく、本シリーズだと答える事、間違いなしの、斬新で、才気溢れる、読み応えタップリのシリーズだった。


【こんな人にお勧め】
奇想天外な漫画を読んでみたい方。  シュールな漫画が好きな方。 マルク=アントワーヌ・マチュー氏のファン。
 

【きわめて個人的な本の評価】
総合評価     : 4.5/5
ストーリー    : 5/5
グラフィック   : 3.5/5
ストーリーボード : 3/5
フランス語難易度 : 5/5(易<難)
読みごこち    : 4/5(難<易)


【関連記事】
  • 「Julius Corentin Acquefacques, prisonnier des rêves」シリーズ
  • 著者名別索引・BD 【著者名 M】Marc-Antoine Mathieu

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「Julius Corentin Acquefacques, prisonnier des rêves」シリーズ
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マルク=アントワーヌ・マチュー著「Julius Corentin Acquefacques, prisonnier des rêves」シリーズ第4弾

18:56

♥ Coup de coeur ♥
表紙写真debut de la fin「Julius Corentin Acquefacques, prisonnier des rêves, tome 4 : Le Début de la fin」

著者 : Marc-Antoine Mathieu
分類 :  白黒漫画、ファンタスティック系漫画、風刺漫画、独創的な漫画、お勧め漫画


出版社  : Delcourt
本の種類 : ハードカバー(23x1x32)
ページ数 : 46頁


【概要】
人口増加と、住宅難のため、省スペースを極限まで追求した住宅に住む、Julius Corentin Arcquefacques 氏の、夢とも幻想とも思える、荒唐無稽な毎日を描いた、奇想天外な白黒漫画「Julius Corentin Acquefacques, prisonnier des rêves」シリーズ第4巻。

【ストーリー】
Julius Corentin Arcquefacques 氏が、小舟に一人乗り、漕いでいると、水面に写った三日月の中から、一人の男が現れ、彼に向かって、「表か裏か?」と、問いを投げかける。 その問に、答えると同時に、Julius Corentin Arcquefacques 氏は、毎朝の様に、ベットから落ちて、目を覚ます。 そこで、何時ものような一日が始まるはずだったのだが・・・

シュールで不可思議だけど、妙に筋の通っている、奇想天外なストーリー。

【グラフィック】
1~3同様、ストーリーの持つ不条理さにピッタリな、背景の大部分が黒のベタ塗りになっている、コントラストの強い白黒の個性的なグラフィック。

【ストーリーボード】
ダイナミックで、リズミカル。 この「Julius Corentin Acquefacques, prisonnier des rêves」シリーズ第4巻での、シリーズ恒例の、トリック(特別趣向)は、ストーリーボードに仕掛けられている。

【読み心地】
快適

【読後感】
突拍子もない定理により成り立っている、シュールな世界の住人 Julius Corentin Arcquefacques 氏が主人公の「Julius Corentin Acquefacques, prisonnier des rêves」シリーズ第4巻。

荒唐無稽な定理により、支配されている世界で、展開する、メビウスの輪のような、ストーリーは、斬新奇抜で、才気煥発。 

第1、2巻もメチャクチャ面白かったけど、第3巻は、それをうわまる面白さ。 そして、この第4巻は、その第3巻に引けを取らない出来だった。

でも、まあよく、毎回毎回、こんな荒唐無稽なストーリーを考えつく、マルク=アントワーヌ・マチューさんの非才ぶりには、今回も驚かされた。

この「Julius Corentin Acquefacques, prisonnier des rêves」シリーズ、2012年1月現在、5巻まで、刊行されているようだが、あと1巻読んだら、続きが読めないのは、とても残念と、第5巻を読む前から、思ってしまった、メチャ読み応えのあるシリーズだった。  

【こんな人にお勧め】
奇想天外な漫画を読んでみたい方。  シュールな漫画が好きな方。 マルク=アントワーヌ・マチュー氏のファン。
 
【きわめて個人的な本の評価】
総合評価     : 5/5
ストーリー    : 5/5
グラフィック   : 5/5
ストーリーボード : 5/5
フランス語難易度 : 2.5/5(易<難)
読みごこち    : 4/5(難<易)


【関連記事】
  • 「Julius Corentin Acquefacques, prisonnier des rêves」シリーズ
  • 著者名別索引・BD 【著者名 M】Marc-Antoine Mathieu

【外部リンク】
マルク=アントワーヌ・マチュー著「Les Sous-sols du Révolu」の邦訳「レヴォリュ美術館の地下」のアマゾンの頁

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「Julius Corentin Acquefacques, prisonnier des rêves」シリーズ
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マルク=アントワーヌ・マチュー著「Julius Corentin Acquefacques, prisonnier des rêves」シリーズ第3弾

04:34

♥ Coup de coeur ♥
表紙写真Processus「Julius Corentin Acquefacques, prisonnier des rêves, tome 3 : Le Processus」

著者 : Marc-Antoine Mathieu
分類 :  白黒漫画、ファンタスティック系漫画、風刺漫画、独創的な漫画、お勧め漫画


出版社 : Delcourt
本の種類: ハードカバー(23x1x32)
ページ数: 46頁


【概要】
人口増加と住宅難のため、省スペースを極限まで追求した住宅に住む、Julius Corentin Arcquefacques 氏の、荒唐無稽な毎日を描いた、奇想天外な白黒漫画「Julius Corentin Acquefacques, prisonnier des rêves」シリーズ第3巻。

【ストーリー】
毎朝の様に、ベットから落ちて目を覚ました Julius Corentin Arcquefacques 氏は、3時30分にアポイントのある夢工場へ出かけようとしたところ、ベットの上にもう一人の自分がいるのに気づく。
夢工場へ行ってはならないと言う、もう一人の自分を振りきって、Julius Corentin Arcquefacques 氏は、高層階にある彼の部屋の窓辺に現れた、自転車タクシーの後ろ座席に飛び乗り、夢工場へ出かけたのだが・・・

シリーズ、第1、2巻に劣らない、不条理を極めた、奇想天外なストーリー。

【グラフィック】
ストーリーの持つ不条理さにピッタリな、背景の大部分が黒のベタ塗りになっている、コントラストの強い白黒の個性的なグラフィック。  この巻でも、漫画の一箇所に、トリックが仕掛けられている。

【ストーリーボード】
ダイナミックで、リズミカル。

【読み心地】
快適

【読後感】
「Julius Corentin Acquefacques, prisonnier des rêves (ジュリウス=コロンタン・アルクファック、夢の囚われ人)」というシリーズ・タイトルが象徴している、夢とも幻想とも思える、突拍子もない現象が、至極普通の事のように展開する世界が舞台の「Julius Corentin Acquefacques」シリーズ第3弾。 

先に紹介した第1、2巻のストーリーも、ぶっ飛んでいて、とても面白かったけど、今まで読んだ中では、この第3巻目のストーリーが、私の一番のお気に入り。 このシリーズ、一応一巻で、一つのエピソードが扱われているので、どの巻から読み始めても、差し支えないみたいなので、場合によっては、この第3巻から、読み始めるというのも、アリかもしれない。 

夢から覚めると、よく、「ちゃんと考えてみれば、絶対にあり得ない事なのに、どうして至極当然の事のように思い込み、悩んでいたのぉ?」という事が、しばしばあるけれど、このシリーズを読んでいると、その時の気持ちが蘇って来る。

第1、2巻は、ここで終わりじゃなくて、続きが読みたい!という所で終わってしまったので、ちょっぴりフラストレーションが残ってしまったが、この第3巻では、お話が一応完結(?)しているので、スッキリした読後感を得る事が出来た。

それにしても、この「Julius Corentin Acquefacques, prisonnier des rêves」シリーズ、今まで読んだシリーズ物のBDで、最も読み応えのあったシリーズ。  現在の所5巻まで刊行されているようなので、全巻読破決定。

それから、この巻を読んでも、全くこの不可思議な状況の説明はされないので、謎が解決されないタイプのお話が嫌いな方には、お勧め出来ないシリーズである事を付け加えておく。

【こんな人にお勧め】
奇想天外な漫画を読んでみたい方。  シュールな漫画が好きな方。 マルク=アントワーヌ・マチュー氏のファン。
 
【きわめて個人的な本の評価】
総合評価     : 5/5
ストーリー    : 5/5
グラフィック   : 3.5/5
ストーリーボード : 5/5
フランス語難易度 : 2.5/5(易<難)
読みごこち    : 4/5(難<易)


【関連記事】
  • 「Julius Corentin Acquefacques, prisonnier des rêves」シリーズ
  • 著者名別索引・BD 【著者名 M】Marc-Antoine Mathieu

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マルク=アントワーヌ・マチュー著「Julius Corentin Acquefacques, prisonnier des rêves」シリーズ第2弾

17:34

♥ Coup de coeur ♥
表紙写真la qu「Julius Corentin Acquefacques, prisonnier des rêves, tome 2 : La Qu...」

著者 : Marc-Antoine Mathieu
分類 :  白黒漫画、ファンタスティック系漫画、風刺漫画、独創的な漫画、お勧め漫画


出版社: Delcourt
本の種類: ハードカバー(23x1x32)
ページ数: 46頁


【概要】
省スペースを極限まで追求した住宅に住む Julius Corentin Arcquefacques の不可思議な体験を描いた、シュールな白黒漫画「Julius Corentin Acquefacques, prisonnier des rêves」シリーズ第2巻。

【ストーリー】
巨大な光の爆発が起こり、Julius と彼の隣人は、空間を落下し続ける。
その後、自宅のベットから転げ落ち、目を覚ました Julius は『contrôle d'espace vital(生存空間チェック)』を行う二人の検査官の訪問を受ける。  ところが、引き出しを閉め忘れているのを目撃された Julius は、裁判にかけられる事になってしまう。

第1巻同様、シュールを極めたストーリー。

【グラフィック】
背景の大部分が黒のベタ塗りになっている、ほぼ白黒の個性的なグラフィック。  

【ストーリーボード】
ダイナミックで、リズミカル。

【読み心地】
快適

【読後感】
本シリーズ第1巻のJulius Corentin Acquefacques, prisonnier des rêves, tome 1 : L'Origine」が、謎が解けぬままに終わってしまったので、それが気になり、読み始めたものの、この第2巻では、1巻の謎は、全く取り上げられる事なく、Julius Corentin Arcquefacques を主人公とした別の話が始まる。
第1巻同様、不条理を極めた奇妙なストーリーは、行方が全く想像出来ないので、かなり楽しく読み進めることが出来た。

この第2巻も、謎が解けぬまま終わってしまうので、第3巻を読まずにはいられない気持ちで、本を閉じた。  本シリーズのタイトルに『prisonnier des rêves(夢の囚われ人)』という言葉がある事から、第3巻を読んでも、謎が解けないような気もするが、それでも、面白いから構わない!と思ってしまった、斬新奇抜な漫画だった。

【こんな人にお勧め】
奇想天外な漫画を読んでみたい方。 シュールな漫画が好きな方。 マルク=アントワーヌ・マチュー氏のファン。
 
【きわめて個人的な本の評価】
総合評価     : 4/5
ストーリー    : 4/5
グラフィック   : 3.5/5
ストーリーボード : 5/5
フランス語難易度 : 2/5(易<難)
読みごこち    : 4.5/5(難<易)


【関連記事】
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  • 著者名別索引・BD 【著者名 M】Marc-Antoine Mathieu


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不条理を極めた斬新奇抜な白黒漫画「Julius Corentin Acquefacques、prisonnier des rêves」シリーズ第1巻

18:19

♥ Coup de coeur ♥
表紙写真origine  Acquefacques1「Julius Corentin Acquefacques, prisonnier des rêves, tome 1 : L'Origine」

著者 : Marc-Antoine Mathieu
分類 :  白黒漫画、ファンタスティック系漫画、風刺漫画、独創的な漫画、お勧め漫画、アングレーム国際漫画フェスティヴァル


出版社: Delcourt
本の種類 : ハードカバー(23x1x32)
ページ数: 46頁


【概要】
Ministère de l'Humour(諧謔省)で、戯言、戯れ話全集の編集を担当している、役人、Julius Corentin Arcquefacques 氏の、荒唐無稽な日常を描いた、奇想天外な白黒漫画。
1991年アングレーム国際漫画フェスティヴァル『Alph-Art coup de cœur Dalbe賞』受賞作。

【ストーリー】
人口増加と、住宅難のため、省スペースを極限まで追求した住宅に住む、Ministère de l'Humour 勤務の Julius Corentin Arcquefacques 氏の元に、ある朝、一枚の封筒が届けられる。  その封筒の中には、本から破り取られたと思われる一枚の漫画が入っていた。 そして、なんと、そこには、彼が、つい先程、通勤前に隣人と会話した様子が、事細やかに描かれていたのだった・・・

不条理を極めた、突飛で、型ハズレな、奇想天外なストーリー。

【グラフィック】
背景の大部分が黒のベタ塗りになっている、コントラストの強い白黒の、ストーリーの持つ不条理さに、ピッタリな、個性的なグラフィック。

【ストーリーボード】
ダイナミックで、リズミカル。

【読み心地】
快適

【読後感】
「Les ignorants」 の最終ページのBDリストにあった、2012年2月に来日が予定されている、マルク=アントワーヌ・マチュー氏の手になる白黒漫画で、1991年アングレーム国際漫画フェスティヴァルで『Alph-Art coup de cœur Dalbe賞』を受賞した、奇妙きてれつな漫画。 

読み始めてしばらくして「なんじゃ、これは?!」と、いう疑問が頭を駆け巡り、それが、読み進んで行くうちに「なんだか、よく分からないけど、メチャ面白いじゃん」という言葉に変わってゆく。

マルク=アントワーヌ・マチュー氏の作品は、ユニークな発想を元に書かれている作品が多いのだが、私が今まで読んだマルク=アントワーヌ・マチュー氏の作品の中では、ストーリーの奇想天外さという点では、本書は、他の追随を許さない。  突飛なのは、ストーリーだけでなくて、頁の中にも、トリックが仕掛けられていて、

「何これ? もしかしたら・・・」
「いやあ、Marc-Antoine Mathieu さんのいたずらか・・・」

なんて言いたくなる頁もあった。

謎が深まるばかりの所で、この「Julius Corentin Arcquefacques」シリーズ第1巻は終わりを迎えるので、今後の展開が、気になって仕方がなかった。

【こんな人にお勧め】
「Les ignorants」 のBDリストを読破したい方。  奇想天外な漫画を読んでみたい方。  マルク=アントワーヌ・マチュー氏のファン。
 
【きわめて個人的な本の評価】
総合評価     : 4.5/5
ストーリー    : 4.5/5
グラフィック   : 5/5
ストーリーボード : 5/5
フランス語難易度 : 2.5/5(易<難)
読みごこち    : 4/5(難<易)

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