
ストーリー : Bonifay
作画・彩色 : Frank Pé
分類 : 絵が素敵な漫画、彩色が素敵な漫画
出版社 : Dupuis
本の種類 : ハードカバー(24x1x31)
ページ数 : 72頁
生き物の魂は鼻に宿るという信仰のある小さなシベリアの村の、村はずれの小屋に住んでいる男と女は、彼らになついている一匹の熊と共に暮していた。 ある夜、酒を飲みに村に行った男は、酒場にいた男たちとの間の諍いが元で、殴り合いに巻き込まれる。 そっと男の後を追い、村にやって来た熊は、男が危機にさらされているのを見、男を守ろうとするが、男も、熊を、村人達に倒されてしまう。 自分が眠っている間に男が家を抜け出したのに気づき、一足遅れて村に現れた女も、身を呈して男を守ろうとするが、顔面に銃尻を受け、それにより、彼女は鼻を失ってしまう。
フランスのノルマンディーの広大な土地に住む医者の Céléstin は、養女の Manon と、彫刻家の Buggy と共に、シマウマ、ジャガー、かもしか等の南洋に住む動物らと共に暮していた。
Céléstin が、知人の代議士に頼んで手に入れた、ガラスの運送を請け負った、ジプシーたちの一員に、顔の鼻から下をスカーフで覆った一人の女性の姿があった。
第一次世界大戦勃発前夜のフランス、ノルマンディー地方を舞台としたフランス漫画「Zoo」の第1巻。
野生動物のような、自分の気持ちをまっすぐに表現する術しかもたないけれど、とっても優しい心を持っている Manon、繊細な芸術家肌の持ち主の Buggy、海のように広い心を持ち慈しみに満ちている医師の Céléstin らに囲まれ、顔のみでなく、心に大きな傷を受けた Anna が、すこしづつ再生してゆく様子が、美しいグラフィックに載せられ展開して行きます。 動物達の描き方や、背景の描き方なども、非常に上手いのですが、作中人物らの性格、そして感情ビンビンと伝わってくる、ダイナミックな表現力を備えているグラフック。 又、センスのいい、セピア系の色を中心に、モノクローム的な彩色も、グラフィックの魅力を倍増させています。
又、読み心地も快適。 1994年に描かれた漫画だとは思えないほど、日本の漫画に近い、滑らかな読み心地を提供しています。
ストーリーの方は、まだお話のお膳立てが揃ったところといったところなので、本巻を読んだだけでは、何とも判断しがたいのですが、第1次世界大戦が勃発するところで、この第1巻は終わってしまうので、今後、どのようにストーリーが展開するのか、大変興味が持てます。
【こんな人にお勧め】
表現力のあるグラフィックの漫画を読んでみたい方。
【きわめて個人的な本の評価】
総合評価 : 4/5
ストーリー : 3/5
グラフィック : 5/5
カラーリング : 4/5
ストーリーボード : 4.5/5
フランス語難易度 : 2/5(易<難)
読みごこち : 5/5(難<易)
ストーリー : 3/5
グラフィック : 5/5
カラーリング : 4/5
ストーリーボード : 4.5/5
フランス語難易度 : 2/5(易<難)
読みごこち : 5/5(難<易)
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2010年5月13日に一部加筆修正。 2013年5月6日レイアウト修正。
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