フランス語の本の読書記録 : Archives [ 2009年11月 ]

フランス語の小説、漫画、エッセイ等の読書の記録

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1916年ロシアの田舎を舞台にしたホラータッチのBD

21:51

表紙写真ce que le vent apporte「Ce que le vent apporte」

著者 : Jaime Martin

分類 : サスペンス漫画、ソ連・ロシアが舞台、スペイン漫画

出版社  : Dupuis
本の種類 : ハードカバー(24x1x32)
ページ数 : 72頁


1916年のロシア。 戦争反対のデモに参加したモスクワの医大生の Alexsandre は、警官から暴行を受けている親子を助けるため、警官を旗棒で殴ってしまう。 Alexsandre の身を案じた医大の教授は、警察の捜査を避けるため、Alexsandre を、北部の村にある診療所の所長のポストに任命する。  

そして、長い困難な旅を経て、任務地へ到着した Alexsandre は、病院の設備が想像していた以上に整っているのに驚く。 ところが、迷信深く、現代医学に不審を抱いており、Alexsandre の若さのため、彼が信頼に値しないと判断した村人達は、決して診療所へ足を運ぼうとしない。 
村人達の信用を得るため、Alexsandre は、看護婦と共に一軒一軒の家を訪問して回ったが、事態は一向に向上しない。 そんなある夜、ジフテリアにかかり、呼吸困難に陥った瀕死状態の娘を連れて、母親が診療所へやって来る。


くっきりと縁取りされた、版画を思わせる太い輪郭が印象的なグラフィック。  細かく描き込まれている絵柄ではないのですが、背景の着色の仕方などの細部にこだわりが感じられる漫画です。 この着色法や、描き方によっては、グロテスクで、悪趣味になってしまうタイプのストーリーを品良くまとめた所などに、優れた漫画家としてのセンスが感じられました。
 
そして、コマ内のレイアウトの仕方はもちろんの事、ストーリーボードの構成が上手いので、ただ、ページをめくってふきだしを読んでいるだけで、難なくストーリーを理解できるだけでなく、作中人物達の心情がビンビンと伝わって来ます。  

ホラーがかったミステリーとでも形容したくなるストーリーは、お話そのものは、どちらかというと平凡。 しかしながら、漫画化の仕方が大変優れているので、なかなか読ませる作品に仕上がっています。

本書に、著者のサイト(http://www.jaimemartin.info/)のアドレスが載っていたので、アクセスしてみてビックリ!
なんと、Jaime Martin 氏は、スペイン人漫画家で、本書もスペイン語で書かれた漫画だったのです。 ところが、本の隅から隅まで探したけれど、翻訳者に関しての記述は皆無。 フランスの大手のBD出版社ですら、こんないい加減な事が許されてしまうという事実には、呆れて、開いた口がふさがりませんでしたね。

【きわめて個人的な本の評価】
総合評価     : 3.5/5
ストーリー    : 2.5/5
グラフィック   : 3.5/5
カラーリング   : 4.5/5
ストーリーボード : 4.5/5
フランス語難易度 : 2/5(易<難)
読みごこち    : 5/5(難<易)


2010年10月05日に一部加筆修正。 2017年11月30日にレイアウト修正。
2010年10月05日に一部加筆修正。

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大人になる事を禁じた島の住人と、人類学学者の恋愛を描いたフランスの小説

00:22

「Les Coloriés」
表紙写真colories
著者 : Alexandre Jardin
出版社: Folio
本の種類 : ペーパーバック
ページ数: 336頁
分類: 恋愛小説

人類学学者の Hyppolyte Le Play は、国際会議に出席する恋人に付き添い、空港まで来たが、彼女から愚痴ばかり聞かされるのにうんざりし、適当な言い訳をでっち上げて、1人でパリの自宅に帰る。 

同居中の娘も息子もそれぞれ旅行に出ているので、自分1人のはずが、娘 Lulu の部屋で、不審な物音がする。 娘の部屋へ言ってみると、クローゼットに何者かを匿った後と、食料や洋服が散らかされており、娘の部屋の窓から庭の樹まで、一本のロープが渡されているのを発見する。
こうして、Hyppolyte は、Délivrance 島という島に現存する、Coloriés という、人種の1人の Dafna と対面する事になる。

1980年の1月21日、Pitcairn 島から6千マイルほど離れた所にある Délivrance島 の住人らは、悪天候のため、島に逗留していた Australian サーカス一座を乗せた、Melbourn号と共に、サイクローンに見舞われた Pitcairn 島の人たちを援助するため、島を去る。 Melbourn 号の船長の判断により、サーカスの一座の子供達は、島の子供達と共に、厳格な教師の Silhouette 氏の監視の元、Délivrance 島に留まる事となった。 ところが、悪天候のため、Melbourn号は、救援を発信する間もなく、沈没してしまう。 航海技術を持たぬ上、子供達を置き去りにするのを躊躇した、Silhouette 氏と子供達は、島にそのまま留まる術しか知らなかった。 

そして、2月15日、あまりに厳しすぎる Silhouette 氏の行いに耐えかねた子供達は反乱を起こし、Silhouette 氏は、反逆を指導した、Ari という男の子に殺される。 それ以降、子供達は、今後一切、大人の決めたルールには従わず、永遠に子供のままでいる事を決意し、時計と鏡を壊し、自らを Coloriés と名乗る。 そして、島に近づく大人は皆殺しにするという、凶暴な Ari を恐れた Pitcairn 島の人々は、決してDélivrance島に近づこうとしなかったのだった。


服の代わりに裸にボディーペインティングをしている事から『Coloriés 』と呼ばれる、子供達だけが住む島 Délivrance 島を軸に展開する本書は、母親の消息を求め、Délivrance 島から、フランスにやって来た、30過ぎても、我儘な4、5歳の子供のように傍若無人に振舞うDafna が、『大人の世界』で、引き起こした珍事を中心に展開する第1部と、
急に姿を消した Dafna を探しに、単身『Coloriés』達の住むDélivrance島へ乗り込んだ、主人公の冒険を語った第2部の二部構成の小説です。 

フランスの人気作家の1人である Alexandre Jardin 氏の作品は、以前から読んでみたいと思っていたものの、今まで、なかなか機会がなくて、本書が私が読む、 Alexandre Jardin 氏の最初の作品になります。

本書の支柱となっている、『子供』を基準として見た、大人の世界の味気なさや、陰気さを指摘するというアイデアは、決して悪くないのですが、本書を通して伝わってくる著者の『子供』に対する認識が、あまりに恣意的なのには、疑問を感じずにはいられませんでした。 著者は、本書を通じて、自分の願望を、『Coloriés』達に代弁させているのに過ぎず、本書で描かれている『Coloriés』の姿は、決して、子供の本来の姿を現しているとは言えないと、私は思いました。

ああ、この人は、子供たちと、真に向き合った事がないにちがいない。

と、ため息が何度も洩れました。

子供に対するの認識が甘いのだけでなく、Dafna が大人の世界で巻き起こす騒動なども、全然面白くなく、頭が固い大人が子供向けに作ったアニメ並の味気なさが漂っています。 

おまけに、作品のディテールの設定がひどく雑。 子供達には必ず付き物の喧嘩についての描写が皆無で、一切の制約なしに気ままに生きている子供達が、近代社会のような秩序のある社会生活を営んでいるというのは、非現実的。 又、7つの子供に対し自活を強制するなどの、これこそ子供を否定する掟があったり、そして、極めつけは、近代社会と全くコンタクトを絶った島で、思う存分にボディーペインティングをするだけの、塗料がある事等々、挙げたらきりのない、あまりに粗雑なお話の作り方には、呆れてしまいました。

小説なんて、所詮作り物なのだから、いくらリアリティーに欠けていたとしても、読者にそれを飲み込ませるだけの器量が著者にあれば、それはそれで、許されてしまうのですが、本作品は、その類の作品ではありません。

設定の甘さに加え、致命的なのは、リズム感ゼロのまわりくどい叙述法。  そんなわけで、私は本書を最後まで、読み終えるのに、相当の努力を要しました。

このブログでは、なるべく、評価の低い本のレヴューは、書かない事にしているのですが、本書は、ネットの書評でまずまずの評価を得ている上、読み終えるために要した労力が大きすぎるので、それが全く無駄になってしまうのは、とても悔しいので、思わず、ブログのネタにしてしまった・・・、というのが本音。

子供というのは、純粋なのだからこそ、悪賢くて、残酷で、所有欲の塊のようなもの。 もし、何も制約がないまま、勝手に生きている子供たちのみが住んでいる島は、決して、délivrance 島のようなパラダイスになりうる可能性はあり得はしない。

そんな当たり前の事が分からず、本書を賞賛している人が沢山いるのには、人の好みはホント千差万別だと、再認識しましたね。  

本書の作品説明に、『・・・son roman le plus déroutant et le plus drôle・・・」と、ありましたが、もし、本書が、著者の『最も型外れで、面白い小説』なら、今後、この人の作品を読む必要はないなぁと、私は思いました。


【きわめて個人的な本の評価】
作品評価 :(1/5)
フランス語難易度 :(4/5)易<難
読みごこち :(3/5)難<易


2010年10月06日に一部加筆修正。

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感情描写に長けていてグラフィックが美しいのフランス漫画

23:47

♥ Coup de coeur ♥
表紙写真 quelques jours ensemble「Quelques jours ensemble」
ストーリー : Alcante
作画・彩色 : Fanny Montgermont
分類 : 絵が素敵な漫画、お勧め漫画


出版社  : EP Editions
本の種類 : ハードカバー(24x1x32)
ページ数 : 48頁



特殊映像を専門とした映像製作会社の社長をしている、Xavier の元へ、突然、14年前に別れた恋人 Natacha から電話がかかって来た。 美人だった Natacha の面影を思い浮かべながら、ウキウキして約束の場へ向かった Xavier だが、彼を待ち受けていたのは、ガンの治療のため、やせ細った1人の中年女性の姿だった。 
Natacha は、自分には、Julien という13歳になる息子がおり、Julien の父親は、Xavier だと告げる。 治療のため入院している間、Julien の面倒をみてくれないかとの Natacha からの懇願を、冷たく拒否し、Xavier は席を立つ。
しかし、ある夜、Xavier へ、Julien から、突然電話がかかって来る。 
「母親が倒れて意識不明に陥ってしまった。 救急車を呼んだけどなかなか来ないので、どうしたらいいかわからない」と、叫ぶJulien に、「自分は何も出来ない」と、すげなく答え、電話を切ったが、気になった Xavier は、 Natacha の家まで車を走らせる。  そして、Natacha の住まいにたどり着いた Xavier は、玄関先で救急車の運転手達に囲まれた Julien の姿を目にし、ショックを受ける。


以前、ブログで紹介した「Pandora Box」シリーズのストーリーを担当した Alcante 氏がシナリオを担当しているのに惹かれて手に取った作品。 もちろん、ストーリーの方も決して悪くはないのですが、本作では、何よりも Fanny Montgermont さんの漫画に圧倒されてしまいました。

水彩画を思わせる、淡い色調で彩色された、さらりとした繊細さが感じられるグラフィック。 微妙な色使いが効果的な背景の描き方も素敵だけれど、フランス漫画特有のアクが感じられない、あっさりとした人物の描き方が、とっても魅力的。  そんな、私好みの繊細で優美なグラフィックそのものも、メチャ素晴らしいのですが、この漫画の凄い所は、感情描写にアクセントを置いた、ストーリーボードの構成テクニックにあります。

常に、フランスの漫画家は、日本の漫画家に比べると、絵の技術は上でも、感情描写の仕方が未熟、と思っていたのですが、本書を読み終わって、「フランスにこんな上手い漫画家がいたのか!」と、ため息がもれました。

ルックスが良くて女に不自由した事がなく、他人の気持ちや、痛みに無関心なエゴイストの固まりのような実業家が、13年の間その存在すら知らなかった息子との交流を通して、自分以外の人間を愛しむ事はじめて学ぶ、という、月並みなメロドラマに流れてしまう危険を孕んでいるお話です。 それを、作中人物の細かい心の動きを中心に、さらりとまとめたストーリーも評価に値するものですが、そんな著者の意図を見事に組み込み、読者の感情のツボをしっかり押さえ、センシビリティーに溢れる漫画にまとめ上げた、作画担当の Montgermont さんの、技量には、全く驚かされました。 

お涙頂戴式のこの手のお話が、あまり好きでない私ですら、最後のページを閉じて、うるうると溢れ出る涙を止める事が出来ず、

どうして、こんな作り話に、泣かなければならないの!

と、自問してしまう羽目になりました。

日本の漫画に慣れている読者の心でも、間違いなく、がんがん揺さぶる力を持っている、大変稀なフランス漫画。 Montgermontさんの作品を読むのは初めてだったので、こんな凄い作品を書く漫画について、もっと知りたくなって、ネットで調べてみて、Fanny Montgermont さんのインタビュー(http://piscosour.free.fr/numero5/parleavecelle.html)にぶつかりました。 その中で、

好きな監督に森本晃司。 好きな映画の音楽に、カーボーイ・ビーポップ。 好きなBD作家に Emmanuel Lepage。 子供の頃のヒーローに、Nicky Larson(「シティー・ハンター」の冴羽 獠のフランス語名)。

等々と、書かれているのを読んで、納得。 なんだ、Fanny Montgermont さんは、日本のアニメの洗礼を受けた、新しい世代のBD作家だったのです。 (おまけに、私が大好きなEmmanuel Lepage氏のファン)。 だから、BDと日本の漫画のいい所のみを取り入れたこんな素敵な作品を書く事が出来たのに違いありません。
 
これなら、フランスBD業界も未来も明るい! o(^o^)o ウキウキ

ストーリー、グラフィック、そして読み心地と、三拍子揃っている、美本なので、クリスマスプレゼントなどにも最適な一冊だと思いました。

【こんな人にお勧め】
感動的な漫画を読みたい方。  絵がきれいで読みやすい漫画をお探しの方。
 
【きわめて個人的な本の評価】
総合評価     : 4.5/5
ストーリー    : 4/5
グラフィック   : 5/5
カラーリング   : 5/5
ストーリーボード : 5/5
フランス語難易度 : 1/5(易<難)
読みごこち    : 5/5(難<易)

【関連記事】
  • 著者名別索引・BD 【著者名 A 】Alicante
  • 著者名別索引・BD 【著者名 M】Fanny Montgermont

2010年5月13日に一部加筆修正。2013年3月25日に【関連記事】追加及びレイアウト修正

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存在が消失してしまう男を主人公としたフランスの不条理小説

01:46

「Hors champ」
表紙写真hors champs
著者 : Sylvie Germain
出版社: Albin Michel
本の種類 : ソフトカバー(14x2x21)
ページ数: 196頁
分類:

朝食にピクルスを欠かせない他は、普通の人とあまり変わりのない中年独身男のサラリーマン、Aurélien Labas がこの作品の主人公。
道を歩いていて、衝突するまで彼の存在に気づかなかった通行人と、立て続けてぶつかった事を初めとし、Aurélien は、日増しに自分の影が薄くなってしまい、回りの人が自分がまるで存在していないかの様に、振舞い始めるのを自覚する。
そして、日を追うに連れ、この現象はどんどん進行して行き・・・


ある日を境に、急に自分の存在が、ピンボケ写真のように、ぼけだして行く羽目に陥ってしまいった主人公の1週間を、ちょっと変わった彼の生い立ちや、彼を取り巻く人々の過去の回想を、からめながら語った小説。

これまでに、このブログで紹介した Sylvie Germain さんの作品は、2作とも、繊細な筆致で、心の痛みと運命の残酷さを雄弁にを語った作品だったのですが、本書は、全く違ったスタイルの、自分の存在が少しずつ、希薄になってしまう、主人公の姿を描いた、カフカの「変身」が連想される、不条理小説となっています。

誰も気づかないうちに、少しずつ自分の存在そのものが薄れて行くという発想は、面白いし、彼を愛していたはずの者達の脳裏から自分の姿が消えつつあるのを目のあたりにした、主人公の絶望的な心理はよく伝わってくるものの、私には、最後まで、著者の明確なメッセージを掴む事が出来ず、消化不良に陥ってしまいました。

人間というのは、他人に認められて存在する社会的な生き物であるという事実を不条理に載せて詩的に描いた問題作。 なぜか、私には、希薄な読後感しか残してくれませんでしたが、この作品を読んでから、20年以上前に読んだカフカの「変身」を、読み直したくなりました。

文章自体は読みやすいのですが、日常会話であまり登場しない難しめの単語が少々出てくるので、フランス語難易度は難しめになっています。

【こんな人にお勧め】
不条理小説を読みたい方。

【きわめて個人的な本の評価】
作品評価 :(3/5)
フランス語難易度 :(3.5/5)易<難
読みごこち :(4/5)難<易


【関連記事】
著者名別索引・小説 【著者名 G】

【外部リンク】
本書のペーパーバック版のアマゾン・フランスの頁
本書のアマゾン・ジャパンの頁

2010年8月17日に一部加筆修正。 2013年2月21日に【外部リンク】追加。

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神様に不死にしてもらった、ひねくれ者のカーボーイの冒険を描いたフランス漫画

21:04

表紙写真 Lincoln6「Lincoln, Tome 6 : French Lover」

ストーリー : Olivier Jouvray
作画    : Jérôme Jouvray
彩色    : Anne-Claire Jouvray
分類 : ユーモア漫画

出版社  : Paquet
本の種類 : ハードカバー(22x1x30)
ページ数 : 48頁


革命にうんざりした革命軍の女指導者 Saledena は、家族と平穏な暮らしを送るため、Lincoln と共にメキシコを去る。 そして、アメリカの領土に足を踏み入れた Saledena は、メキシコからの移民狩りをしているカーボーイ達に、捕まってしまう。 Lincoln の口八丁で、なんとか、危機を避ける事が出来たものの、気を害した Saledena は、Lincoln を置いて一人で、家族の住む難民キャンプへ向かう。 

Saledena に肘鉄をくらい、ふてくされて、野原でごろ寝をしていた Lincoln は、アメリカ人のふりをしようと考えたメキシコ移民から、気ぐるみはがれてしまう。 仕方がないので、そこに残されていたポンチョをまとって旅を続けようとした Lincoln だが、メキシコ人と間違われて、憲兵に捕まり、難民キャンプに収容されてしまう。


神様に不死にしてもらった、ひねくれ者のカーボーイの冒険を描いた「Lincoln」シリーズの最新作。 2010年アングレム国際漫画フェスティヴァル、Sélection Officielle(公式セレクションノミネート作品。

今までの「Lincoln」シリーズは、お話は続いているものの、1巻完結だったので、先の巻を読まなくても、その巻のストーリーを理解する事が出来たのですが、この6巻は、前巻の後日談になっているので、本書を開く前に、5巻を先に読まれることをお勧めします。

行きがかり上、Saledena をエスコートして来た Lincoln。 自立心と、プライドの高い Saledena に、肘鉄をくらわされ、「それなら、いいもん」と、諦めモードの Lincoln だったのですが、神様と悪魔の両方からつっつかれ、またもや Saledena の加勢をする羽目に・・・

初めのうちは、移民を取り巻く現在のヨーロッパの状況や、第三世界の国の革命に『自分探し』を求める先進国の若者、など、現代社会の風刺?と、思わせる、下りが出てきたりするので、期待しながら読み進んでいたのですが、作品が進むにつれて、そんな要素はすっかり姿を消してしまいます。

テキスト部分がやたら多くて、読みにくかった第5巻に比べると、この第6巻は、大変読みやすく漫画化されており、滑らかな読み心地を楽しむ事が出来ました。
読み心地がいいのは、とても、うれしかったのですが、あまりに、スパイスに欠けたストーリーには、かなり失望させられてしまいました。

神様の奮闘の甲斐あってか(?)、へそまがりで、アウトローだった Lincoln が、この巻では、全く普通の人になってしまったようで、これなら、このシリーズを続けていく意味があるのかしら?と、疑問を持ちました。

【こんな人にお勧め】
ユーモア・ウェスタン漫画が読みたい方。
 
【きわめて個人的な本の評価】
総合評価     : 2/5
ストーリー    : 2/5
グラフィック   : 3/5
カラーリング   : 3.5/5
ストーリーボード : 3/5
フランス語難易度 : 2/5(易<難)
読みごこち    : 3.5/5(難<易)

【関連記事】
「Lincoln」シリーズ

【外部リンク】
『Lincoln』シリーズ公式サイト

2010年6月3日に一部加筆修正。2013年4月11日にレイアウト修正。

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「Lincoln」シリーズ
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アングレーム国際漫画フェスティヴァル
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空港での暇つぶしに最適のスペインの連作短編集

16:47

「Le Japon n'existe pas」
表紙写真 japan nexiste pas
著者 : Alberto Torres-Blandina
翻訳 : François Gaudry
出版社: Métailié
本の種類 : ソフトカバー(14x1x21)
ページ数: 159頁
分類: 短編集、スペイン文学

国際空港に掃除夫として勤務している Salvador Fuensanta は、モップを持ちながら、空港の客や、空港の店で働く従業員らに向かい、彼の経験した出来事を語って聞かせる。 それは、彼の近所に住んでいた、夢見がちで正義感に溢れる男の子 Eduardo が辿った非凡な人生だったり、空港のカフェテリアで働く Rosalia と Robeero との奇妙な恋物語であったり、インターネットで有名になったフィンランド人の詩人 Jussi Larvala と、夏季にアルバイトの空港清掃係の学生 Pau が奇妙に交差する話であったり、空港で、美人に話しかけられた、マザコンでデブの Domingo Millon の話だったり、日本という国は存在せずに、電化製品を売るためのデマにすぎない、という話だったり・・・

そんな、空港で暇を持て余している人々を前にした、Salvador Fuensanta のモノローグのみで構成された、19つの章と、エピローグからなるスペインの小説。


「Le Japon n'existe pas」というタイトルと、この本の裏表紙に書かれていた「日本という国は存在せずに、電化製品を売るためのデマにすぎない」というフレーズにつられて読み始めた本。 なかなかショッキングで面白そうな発想なのですが、このコピーのエピソードは、残念な事に、この本の中では、あまり重要な位置を占めていません。

子供の頃に読んだ昔話に、「大ぼらふきの話」というのがあったけど、この本は、その現代スペイン・ヴァージョンと、呼びたくなってしまうタイプの本。
作り話だと分かっていても、もしかしたら実話かも?なんて気になってしまい、ついつい聞きほれてしまう、そんな、お話が次から次へと展開してゆきます。
19の章とエピローグからなる本ですが、これで、おわり?と、思っていた逸話の続きが数章後に出てきたりするので、厳密には19のお話が語られているとは言えません。

良く出来ている短編小説を思わせる、各エピソードのストーリーも、なかなか面白いのですが、なにより、それを語る Fuensanta じいさんの、ほのぼのとした雄弁な語り口が魅力的。 この人、もし、日本に生まれていたら、創作落語の名人になっていたのでは・・・などと、アホな想像をしたりしてしまいました。

エピローグが今ひとつ。 これなら無いほうが良かったのでは・・・と思った他は、なかなか、楽しい時間を提供してくれた一冊でした。 空港での暇つぶしは勿論の事、退屈しのぎに、最適な本だと思いました。

本書は、イタリア、スペイン、ポルトガル、フランスで同時出版される特権が与えられる『Prix Las Dos Orillas』を受賞しています。

【こんな人にお勧め】
気晴らしの読書のための本をお探しの方。 

【きわめて個人的な本の評価】
作品評価 :(3.5/5)
フランス語難易度 :(3/5)易<難
読みごこち :(4/5)難<易


2010年9月28日に一部加筆修正。

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人々の思惑が微妙に絡み合い奏でる運命を綴った小説

01:44

「L'inaperçu」
表紙写真inapercu
著者 : Sylvie Germain
出版社: Albin Michel
本の種類 : ソフトカバー(13x2x20)
ページ数: 294頁
分類:

Sabine Bérynx は、夫を交通事故で亡くして以来、1人で園芸店を経営しながら、4人の子供を育てている。
クリスマスも迫った暮れに、子供達と買い物に出た際に、店先でサンタクロースに扮装した男と子供の写真を撮影している写真家に、出くわした Sabine の義両親は、子供とサンタの写真を撮影させた。 その写真に写った子供たちの生き生きとした表情に驚いた Sabine は、義母がアルバムに写真をしまい込まないうちに、自分もこの写真を入手したいと考え、子供達が写真を取った店に行き、サンタクロースに扮装した男に、写真を見せ、焼き増ししたいと、頼む。 男は、ポラロイド写真なので、焼き増しする事が出来ないが、知り合いの写真屋に複製してもらうと、Sabine に請合う。

そして、数日後、写真を取りに来た Sabine は、サンタのバイトをしている、定職を持たない、Pierre という男と、話をしているうちに、彼を園芸店で雇うことを、突然思いつく。

そして、Sabine の園芸店で、働き始めたPierre は、Sabine と子供達にとって、かけがえのない1人となってゆく。


夫 George を交通事故で亡くした Sabine、
偶然、George の車に乗っていたため、片足の足首から下を失い、心に大きな傷を負った、末っ子で、感受性の高い、風変わりな少女 Marie、
オールドミスの、George の伯母 Edithe、
George の事を忘れることができず、Sabine はもとより、Pierre を快く思わない、Sabine の義父の Charlam、
Pierre の部屋を訪れた際に、偶然目にした Rothko の絵の複製に心を奪われた Sabineの長男 Henri、
そして、Sabine の気まぐれから、彼女の店で働くことになった Pierre、

等々の Bérynx 家の人達の心の内と、偶然により、彼らと近い存在になった Pierre の、暗い過去が、以前にブログで紹介した、「Magnus」 に見られたような、静かに流れるような文体で、綴られてゆきます。

中盤に出てくる、寸劇の場面は、あまり楽しめなかったものの、それ以外の部分は、著者のストーリーテラーとしての才能、そして、センシビリティーが感じられる叙述スタイルを堪能することが出来ました。

それぞれの想いを抱える人間達が微妙に絡み合い織り成す、運命が、切なく胸に響き、やるせない想いが後を引く物語でした。

本書のペーパーバック版も出版されています
本書はアマゾン・ジャパンで購入できます


【こんな人にお勧め】
センシビリティー感じられる小説を読みたい方。

【きわめて個人的な本の評価】
作品評価 :(3.5/5)
フランス語難易度 :(3/5)易<難
読みごこち :(3.5/5)難<易


【関連記事】
著者名別索引・小説 【著者名 G】

2010年8月17日に一部加筆修正。

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小説・エッセイ・ノンフィクション
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1913年の漁船が舞台のサスペンスBD

03:45

表紙写真 terre Neuvas「Terre-Neuvas」

著者 : Christophe Chabouté
分類 : サスペンス漫画、ノワール、白黒漫画

出版社:Vent d'Ouest
本の種類:ソフトカバー(23x2x32)
ページ数:122頁


1913年、カナダ沖の Terre-Neuve へ、タラ漁へ出かけた帆船 Marie-Jeanne 号が、この漫画の舞台。 この航海は、9ヶ月間に渡たり、大量のタラが釣れるまで、フランスには帰ることが出来ないので、Marie-Jeanne 号に乗り込んでいる漁民達の中には、長い間フランスで春を迎えてた事のない者も多かった。  
Marie-Jeanne 号の常連の、荒々しい、男達に混じり、今回初めて、漁船に乗込んだ、Louis Mannot は、なかなか船の雰囲気に馴染めない。  彼に、唯一やさしくしてくれるのは、年寄りの船乗りの Mathieu だけ。 やがて、船は目的地に着き、漁に入るが、船室で船員の1人の刺殺死体が見つかり、船は恐怖に陥る。


私が大好きなフランス漫画家 Christophe Chabouté 氏の最新作。
前作の「Tout seul 」は、じーんとくるタイプのストーリーでしたが、今回は、Christophe Chabouté 氏お得意の、ノワール風味のスリラー漫画です。

当時の漁船の最悪な労働条件や、荒くれの海の男達などの雰囲気がしっかりと伝わってくる、力強い白黒のグラフィック。 これまでに紹介した Chabouté 氏の作品同様、作中人物の性格、そして感情表現に長けている漫画です。 又、今回の作品には、霧の中の様子のを描き方などに、これまでの Chabouté 氏の作品には見られなかった技術的工夫が見られます。 
粗暴な船乗り達が閉じ込められた帆船の雰囲気にバッチリと合った、Chabouté 氏特有のクセが感じられるグラフィックで、じわじわと、サスペンス感が盛り上げてられてゆきます。
又、Chabouté 氏の他の作品同様、リズミカルな読み心地が味わえるよう考えられてストーリーボードが構成されていました。

というわけで、グラフィック及び漫画化手法は完璧で、読み心地も最高なのですが、ストーリーに関しては、私は、いささか失望を感じぜずにはいられませんでした。
「Henri Désiré Landru」 に見られた、当時の社会状況に対する批判を、かすかに感じ取る事が出来るものの、それ以外は、ごく凡庸なサスペンス。 私には、初めから犯人がわかってしまったので、あまりサスペンス感が得られなかった上、当時の社会状況を考えれば、こういう成り行きになるのは、自然だとはわかっていたとしても、この話の結末のつけ方には、わだかまりを感じずにはいられませんでした。  

しかしながら、漫画化の仕方が、とっても上手いので、なかなか読み応えのある作品に仕上がっています。

【こんな人にお勧め】
サスペンス漫画の好きな方。 フランス語初心者。

【きわめて個人的な本の評価】
総合評価     : 3.5/5
ストーリー    : 2.5/5
グラフィック   : 4/5
ストーリーボード : 5/5
フランス語難易度 : 2/5(易<難)
読みごこち    : 5/5(難<易)

【関連記事】
著者名別索引・BD 【著者名 C】Christophe Chabouté

2010年5月7日に一部加筆修正。 2013年5月24日にレイアウト修正。

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サスペンス・ホラー系BD
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父親の謎の自殺を追うフランスの女子大生の姿を描いたフランス漫画

22:12

「Secrets : L'Echarde : Tome 1」
表紙写真 echarde1
ストーリー : Frank Giroud
作画 : Marianne Duvivier
彩色 : Bertrand Denoulet
出版社: Dupuis
本の種類 : ハードカバー(24x1x31)
ページ数: 56頁
分類 : サスペンス漫画

「Secrets, Tome 2 : L'écharde」
表紙写真 echarde2
ストーリー : Frank Giroud
作画 : Marianne Duvivier
彩色 : Bertrand Denoulet
出版社: Dupuis
本の種類 : ハードカバー(24x1x31)
ページ数: 56頁
分類 : サスペンス漫画

パリで大学生活を送っていた Annette Picot は、夏休みに、地方の実家に帰宅し、新学期からパリで大学生活を送る予定の妹 Hélène と共に、ヴァカンスを満喫していた。
ところが、彼女がパリに帰る前夜、父親が自殺を図る。 遺書すら残されておらず、父親の自殺の原因は、誰の目にも謎に映った。

そして、父の形見としてパリに持って帰ったコートのポケットに入っていたメモをたどり、父親の秘密を探って行くうちに、Annette は、思いがけない真実に行き当たる。

学生運動真っ只中の1968年のパリを舞台に、両親の過去を探り、自分の出生の秘密を知ってしまった、一人の女子大生の姿が描いた社の「Secrets」シリーズ第1弾の二部作「L'Echarde」。

シリーズタイトルになっている「秘密」を上手く生かした、ストーリーなのですが、以前にこのブログで紹介した Patrick Cauvin 氏の
「Venge-moi」
と似たようなネタを元にしているため、私には、早々にネタが分かってしまい、全くサプライズ感を得ることが出来ませんでした。 又、ストーリー自体も、「Venge-moi」と比べてしまうと、荒さが目立ち、断然見劣りしてしまいます。 でも、「Venge-moi」を読む前に本書を読んだら、多分もっと違った感想を持ったかもしれないなぁ・・・と、思いました。

グラフィックに関しては、一部、作中人物の顔の描き分けがあまりよく出来ていないと感じられた所があるものの、好感の持てるきれいな絵柄。 女性の描き方が、官能的で、独特の魅力があり、背景の構図の組み方などにも、センスの良さが感じられます。 又、グラフィックの魅力を十二分に引き出す、Bertrand Denoulet さんの着色の仕方も優れていると思いました。

「Venge-moi」のインパクトが、あまりに強すぎたため、私の本書の評価は、おのずからダウンしてしまいましたが「Venge-moi」をお読みでない方なら、かなり楽しめるタイプの作品なのではないかと思いました。

*本シリーズ1、2巻がひとつになった「Secrets : Intégrale L'écharde」も出版されています。

【きわめて個人的な本の評価】
総合評価 :3/5
ストーリー :2.5/5
グラフィック :3/5
彩色:4/5
ストーリーボード :3/5
フランス語難易度 : 2/5(易<難)
読みごこち :3/5(難<易)


2010年7月14日に一部加筆修正。

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フランスの3人の女の子の青春を描いたBD「Oh, les fille」第2巻

20:45

「Oh, les filles !, Tome 2 :」
表紙写真 oh les filles2
ストーリー : Sophie Michel
作画 : Emmanuel Lepage
出版社: Futuropolis
本の種類 : ハードカバー(22x1x30)
ページ数: 64頁
分類 : 絵が素敵な漫画

シングルマザーに育てられたChloé、
裕福な家庭に育ったAgnès、
マグレブ系のフランス移民の家族のLeila、
この、違った家庭環境に育った、仲良し3人組の女の子を中心に展開するフランス漫画「Oh, les fille ! 」の第2巻目。

バレーリーナとしての才能が認められ、プリマとして注目を集めているChloé、 裕福な家庭で、何の不自由なく育っているけれど、両親に反抗して、家を出たAgnès、母の死にショックを受け、将来、医学部へ進み産婦人科医になる決心をした Leila、この3人の女の子の中学、高校時代を中心に、お話は、展開してゆきます。

第1巻と同様、とっても達者で、優美なグラフィック。
直接着色で、彩色がなされている、ページをめくるたびにため息が洩れてしまう、とっても綺麗な絵。 作中、ほんの少し、作中人物達の顔の描き分けがあまりよく出来てない所が見られた他は、まったく文句のつける所がないそんな繊細で優美なグラフィックを十分に堪能出来ました。 グラフィックという面では、やっぱり、Emmanuel Lepage 氏は、私の一番のお気に入りのBD作家である、という確信が本書を読んで、ますます高まりました。

ただ、絵としては、大変美しく、コマの中のレイアウトなどもとても上手いのですが、この第2巻は、第1巻と比較すると、ふきだしのテキストで、作中人物の心理を説明するという、クラシックなBD的な手法が主に使われています。  
日本の漫画を読みながら育ってきた私は、間を取りながら、登場人物達の心理を読者に伝え、作品を盛り上げてゆくという手法に慣れているため、この手のBDは、今ひとつ盛り上がりに欠けるように感じられました。
ちゃんと説明されているので、一応、彼女達の気持ちは、頭では理解することは出来ても、それが感情導入に繋がらないので、物足りなさを感じずにはいられませんでした。

3つの違った家庭環境に育った、3人の全く違う性格の女の子達の、中・高時代を描いたストーリは、良くまとまってはいるのですが、いささか、表面的過ぎるような気がしました。
フランス漫画では、あまり見られない、女の子達の胸のうちをテーマにした作品なので、私としては、もっと彼女達の心の中を突っ込んで描いてもらいたかったという不満が残りました。

なにしろ、絵がとても綺麗で上手い上、漫画化手法、ストーリーとしてのまとまり、など、どの点と取っても、すべて及第点に達している美本なのですが、作文の模範解答を読んでいるような、味気無さ。

青春の一時にしか味わう事の出来ない、特殊な感情を描くことに長けている日本の漫画を読んだときに得られる、胸の高まりを感じることが出来ないので、これでは、中高生の心を掴むことは、到底無理ではないかと、私は思いましたね。 

フランス漫画では、あまり見られない、女の子達の胸のうちをテーマにした作品なだけに、そこの所が私には、大変残念に思えました。
どちらかいうと、青春時代を遠くから見て、分かったような気になりたい、大人向けの作品だと思いました。


【こんな人のお勧め】
美しいグラフィックの漫画を読みたい方。

【きわめて個人的な本の評価】
総合評価 :3/5
ストーリー :2.5/5
グラフィック :5/5
彩色:4.5/5
ストーリーボード :2.5/5
フランス語難易度 : 2/5(易<難)
読みごこち :4/5(難<易)


【関連記事】
Oh, les filles !, Tome 1」

2010年7月11日に一部加筆修正。

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