「Black museum」
著者 : Alexandre Kauffmann
著者 : Alexandre Kauffmann
出版社 : Flammarion
本の種類 : ソフトカバー(14x2x21)
ページ数 : 237頁
フランス人のフリー・ジャーナリストである主人公は、古代から受け継がれている狩猟民族としての慣習を守り続けている、 伝説の民、ハッザ(Hadza)に関する記事を書くよう、雑誌から依頼を受ける。
ハッザに関する少ない文献を読み漁り、下調べをした後、タンザニアに渡り、ハッザに密着取材しようとした著者を待ち受けていたのは、ハッザを飯の種にしている、エージェントや、エージェントとハッザの人々との仲介をしている現地人だった・・・
ハッザの民に関する記事を書くため、タンザニアに渡ったフランス人のフリー・ジャーナリストを語り手として展開する、ノンフィクション的な香りのする小説。
エージェントや仲介人を通さずに、欧米人向けのフェイクなハッザでない、ハッザの人々の真の姿に触れようと、著者が苦戦する様を描いた第一部、
そして、取材を終え、フランスに帰り、ルポを書き上げた数年後、今度は、長期滞在をするためにタンザニアに渡り、ハッザの人々と生活を共にした様子を綴った第二部
の2部構成になっている。
第一部では、ハッザを飯の種にしているエージェントや、エージェントとハッザの仲介をしている現地人により演出された、ハッザがらみの観光ビジネスの様が、パリのアパートをシェアしている同居人に代表される、パリのスノッブ社会への批判的な下りを挿入しながら、描かれてゆく。
第二部では、タンザニアに仕事を見つけた恋人と共にタンザニアに長期滞在する中、ハッザの人々と共に生活した体験が綴られている。
以前からわかっていたけれど、やっぱり・・・と、ため息が出た、『秘境』にまつわるビジネスについての下りは、さほど新しい驚きはなかったが、興味深く読むことが出来た。
本書では触れられてはいないが、テレビや雑誌の秘境を扱ったルポも、多分五十歩百歩では・・・。 いや、もしかしたら、もっと酷いかも・・・。 この手のルポを見る際には、どういう背景でルポが撮影されたのか、想像しながら見ないと、とんでもない誤解をしてしまうと、改めて痛感させられた。
昔ながらの風習を維持している人々と文明社会の関係、そして、作品では取り上げられてはいなかったが、その土地に精通していない記者やクルーにより、取材して書かれたり、撮影されたルポや、ジャーナリズムのあり方になどに関して色々と考えさせられた一冊だった。
【こんな人にお勧め】
【きわめて個人的な本の評価】
本の種類 : ソフトカバー(14x2x21)
ページ数 : 237頁
フランス人のフリー・ジャーナリストである主人公は、古代から受け継がれている狩猟民族としての慣習を守り続けている、 伝説の民、ハッザ(Hadza)に関する記事を書くよう、雑誌から依頼を受ける。
ハッザに関する少ない文献を読み漁り、下調べをした後、タンザニアに渡り、ハッザに密着取材しようとした著者を待ち受けていたのは、ハッザを飯の種にしている、エージェントや、エージェントとハッザの人々との仲介をしている現地人だった・・・
ハッザの民に関する記事を書くため、タンザニアに渡ったフランス人のフリー・ジャーナリストを語り手として展開する、ノンフィクション的な香りのする小説。
エージェントや仲介人を通さずに、欧米人向けのフェイクなハッザでない、ハッザの人々の真の姿に触れようと、著者が苦戦する様を描いた第一部、
そして、取材を終え、フランスに帰り、ルポを書き上げた数年後、今度は、長期滞在をするためにタンザニアに渡り、ハッザの人々と生活を共にした様子を綴った第二部
の2部構成になっている。
第一部では、ハッザを飯の種にしているエージェントや、エージェントとハッザの仲介をしている現地人により演出された、ハッザがらみの観光ビジネスの様が、パリのアパートをシェアしている同居人に代表される、パリのスノッブ社会への批判的な下りを挿入しながら、描かれてゆく。
第二部では、タンザニアに仕事を見つけた恋人と共にタンザニアに長期滞在する中、ハッザの人々と共に生活した体験が綴られている。
以前からわかっていたけれど、やっぱり・・・と、ため息が出た、『秘境』にまつわるビジネスについての下りは、さほど新しい驚きはなかったが、興味深く読むことが出来た。
本書では触れられてはいないが、テレビや雑誌の秘境を扱ったルポも、多分五十歩百歩では・・・。 いや、もしかしたら、もっと酷いかも・・・。 この手のルポを見る際には、どういう背景でルポが撮影されたのか、想像しながら見ないと、とんでもない誤解をしてしまうと、改めて痛感させられた。
昔ながらの風習を維持している人々と文明社会の関係、そして、作品では取り上げられてはいなかったが、その土地に精通していない記者やクルーにより、取材して書かれたり、撮影されたルポや、ジャーナリズムのあり方になどに関して色々と考えさせられた一冊だった。
【こんな人にお勧め】
ハッザ(Hadza)に興味のある方。 秘境絡みのルポがお好きな方。
【きわめて個人的な本の評価】
作品評価 : 3/5
フランス語難易度 : 3/5(易<難)
読みごこち : 4/5(難<易)
フランス語難易度 : 3/5(易<難)
読みごこち : 4/5(難<易)
コメント
コメントの投稿